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初「ONE PIECE」で号泣42歳…アニメは自分たちのものだと知ったアラフォー世代

「アニメ=オタク」ではなくなった

 自称“非オタク”だったCさん(38歳、女性)は当時交際していた男性に強くすすめられたアニメ「魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)」の視聴をきっかけに、アニメの世界にどっぷりつかるようになりました。

「それまで、アニメに興味はありませんでしたが、この作品を見たときの衝撃は今でも忘れていません。『アニメってこんなに面白いんだ!』と思い、他の作品を次々と見るようになりました。私の中で『まどマギ』を超える作品はありませんが、それに匹敵するくらい素晴らしいものはたくさんあります」

「新世紀エヴァンゲリオン」から「クレヨンしんちゃん」、その他のライトノベル原作のアニメ化作品などを網羅していったCさんはすっかり、“アニメ好き”として周囲に認知されるようになりました。

「勤め先でアニメを見る後輩が何人かいるのですが、彼らと話していると、若い世代になるほど『アニメ=オタク』という価値観が薄れていく印象があります」

 流行に敏感な若い世代が積極的にアニメを受け入れている点に、過去と現在のアニメへの価値観の違いが大きく表れているとCさんは考えているようです。

「昔に比べて、幅広い人がアニメを見るようになったので、かつてあった『大人がアニメを見るのはどこか格好悪い』という考えもだいぶ薄れてきていると思います。『アニメが見やすい世の中になったなあ』と感慨深いです」

 アニメ大国である日本では、数々の作品がしのぎを削っています。そうした環境で、アニメ界全体のクオリティーは年々、磨き上げられてきたと見ていいでしょう。アニメが持つコンテンツ力の向上、そして、Cさんが指摘したような「アニメへの抵抗感の希薄化」が、現在のアラフォー世代がアニメに魅了される大きな理由と考えられます。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

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