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世界的な金利上昇が始まっているのか

「ゼロ%程度」の日本は蚊帳の外か?

 つまり、こうしたことが言えないでしょうか。米国が単独で金融政策の正常化を進めるのであれば、世界的に金融政策が緩和された中で長期金利の上昇にもおのずと限度があるが、主要な中央銀行の多くが金融政策の正常化を進めるのであれば、長期金利にはまだまだ上昇余地があると。

 そうした中で、日本の長期金利はほとんど変化していません。日銀が金融緩和の姿勢を堅持しているからでしょう。現在の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みの下で、日銀は長期金利を「ゼロ%程度」で維持することを目指しています。世界的に長期金利が上昇する中でも日本だけが「蚊帳の外」なのでしょうか。

(株式会社マネースクウェア・ジャパン チーフエコノミスト 西田明弘)

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西田明弘(にしだ・あきひろ)

株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J)市場調査部チーフエコノミスト

1984年日興リサーチセンター入社。米ブルッキングス研究所客員研究員などを経て、三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社。チーフエコノミスト、シニア債券ストラテジストとして高い評価を得る。2012年9月マネースクウェア・ジャパン(M2J)入社。現在、M2Jのウェブサイトで「市場調査部レポート」「市場調査部エクスプレス」「今月の特集」など多数のレポートを配信するほか、テレビ・雑誌などさまざまなメディアに出演し活躍中。株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J)(http://www.m2j.co.jp)。

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