このハゲ! キレるセンセーと立派な先生を分ける「ノブレスオブリージュ」
秘書に対する暴言・暴行問題によって自民党に離党届を提出した豊田真由子議員。国会議員のように「先生」と呼ばれる職業の人は「キレやすい」傾向にあるものの、尊敬を集める人とそうでない人には明確な違いがある、と筆者は説きます。

大声で秘書を責めたり、奇妙な歌を歌ったりする様子が連日報道され、自民党に離党届を提出した豊田真由子議員。「ほかの議員はもっとヒドイ」と擁護する声も聞かれますが、どのような事情があったとしても暴行に及んでしまえば「アウト」でしょう。
筆者はファイナンシャルプランナー(FP)として、さまざまな職種の方の仕事とプライベートを目にする機会が多いのですが、確かに「先生」と呼ばれる職種の人が「キレやすい人」である確率は高いように感じます。
「小さな世界の独裁者」
先生というと、まずは「教師」が思い浮かび、次に「医師」「弁護士」「税理士」など、そして「議員」と続きます。言うまでもなく、ほとんどの方はしっかりとした良識を身につけていますが、「なぜこんなに怒るのか」という人も一部おり、その割合は「一般人」より高いのです。
その理由の一つは、先生を頂点としたヒエラルキーにあります。先生と呼ばれる方々は、その集団では圧倒的な力を持っており、周りのスタッフはあくまでサポーターに過ぎず、先生の代わりをすることはできません。
スタッフがいてこそ仕事ができるのは言うまでもありませんが、そのことに気付かずに、スタッフを奴隷扱いする人もおり、周囲にいさめる人がいない「小さな世界の独裁者」となった先生の振る舞いは年月とともに、どんどんヒドくなっていきます。
ここで重要なポイントが「尊敬」です。先生方は「自分が尊敬されているか」というセンサーが過剰で「普通に扱われる」ことを極端に嫌います。日本人は先生に弱く、多くの人はその肩書にひれ伏しますが、一方では、それほどビビらない人たちもいます。それは「業界内」の人たちです。
医療業界の看護師、法律事務所のパラリーガル、税理士業界の補助者などは業界経験も豊富で先生の実態も知っているため、内心では先生のことをそれほど尊敬していません。国会議員の秘書も同じ傾向があるのでしょう。上は下を奴隷扱いし、下も上を尊敬しない。ミスが起きれば、それだけで「バカにされている」と感じ、ストレス発散も兼ねて叱責。その結果、双方に憎悪が渦巻き、今回のような事態になりました。
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