米FRBがバランスシート縮小へ具体策、その中身とは?
米FRBが2015年12月以来4度目の利上げを決定しました。金融正常化へ歩を進めるFRBですが、筆者が注目するのは今回、バランスシートの縮小について具体策が発表されたこと。その内容はどのようなものでしょうか。
米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が6月13~14日、金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、市場予想通り政策金利の引き上げを決定しました。2015年12月以来4度目の利上げで政策金利は1.00~1.25%となり、これまでに累計で1%引き上げられたことになります。
FOMCの声明文では、労働市場が堅調であり、失業率が低下したことが指摘されました。一方で、足元のインフレ率の鈍化にやや懸念が表明されましたが、中期的には目標である2%近辺で安定するとの予想が維持されました。
しかし、今回注目すべきは、FOMCがバランスシートの縮小に関して具体的な方法を発表したことでしょう。
バランスシートの維持=緩和効果
FRBはリーマン・ショック直後に政策金利をほぼゼロまで引き下げ、さらなる金融緩和策として、債券を購入する量的緩和(QE)に踏み切りました。これは「非伝統的政策」とも呼ばれます。
QEは2014年10月に終了しましたが、FRBはその期間に購入した債券を保有し続けてきました。債券を保有し続ける限り、つまりバランスシートの規模を維持する限り、その代金は市中に放出されたままであり、金融緩和効果があるとの考えによるものです。
米国の経済が力強いとは必ずしも言えないものの、極端な景気刺激がなくても独り立ちできるという判断の下、FRBは金融政策の正常化を進めつつあります。その一つが利上げであり、もう一つがバランスシートの縮小です。
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