トランプ大統領弾劾へ? クリントン氏のケースを振り返る
「ロシアゲート」をめぐり、トランプ米大統領が弾劾される可能性が出てきました。現時点で、弾劾の要件に相当する行為をしているかは不明ですが、今回は参考までに、過去に弾劾されたクリントン元大統領のケースをおさらいします。
2016年の米大統領選にロシアが関与したとされる疑惑「ロシアゲート」に絡み、トランプ米大統領が弾劾される可能性が浮上してきました。
同大統領が、弾劾の要件である「反逆罪、収賄罪、その他の重大な罪または軽罪(不品行)」に該当する行為を行ったかどうかは現時点で不明であり、弾劾云々を議論するのは時期尚早かもしれませんが、仮に弾劾されるとすれば、どのようなプロセスとなるのか、参考としてクリントン元大統領のケースを振り返っておきます。
上院が「有罪ではない」と認定した
発端は、クリントン氏のアーカンソー州知事時代のセクハラに関する裁判でした。その過程で、1997年終盤に同氏と研修生との「不適切な関係」が疑惑として浮上しました。
1998年1月16日:クリントン夫妻が関係する不動産会社の不正(ホワイトウォーター事件)を1994年から捜査していたスター特別検察官(当時)が、クリントン氏の「不適切な関係」を捜査対象にすることについて、リノ司法長官(同)から承認を受ける。
1月17日:クリントン氏が、セクハラ裁判の宣誓供述において「不適切な関係」を否定。これが後に偽証罪に問われることになる。
8月17日:クリントン氏が大陪審で証言し「不適切な関係」を一部認める(ただし1月の裁判で提出した証拠は正確であると主張)。
9月9日:スター特別検察官が議会に報告書を提出、その中で弾劾に該当する可能性のある11の根拠を列挙する。
10月5日:下院司法委員会が、クリントン氏に対する弾劾の可能性を調査することを決定する。
10月8日:下院本会議が、同氏に対する弾劾手続きを開始することを決定する。
12月19日:下院本会議が「偽証」と「司法妨害」に関して同氏の弾劾を決定する。
1999年1月7日:上院本会議が同氏の弾劾裁判を開始する。
2月12日:上院本会議が「偽証」と「司法妨害」に関して「有罪ではない」と認定する。
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