在宅増加で不仲に…「コロナ離婚」をしないために実践すべきこと 専門家が解説
ルール化は退職後のシミュレーション
前述した2点は、いずれも快適に過ごすためにルールを作るという方法です。なぜ、このような方法を提案するかというと、男性はルールを提示されると納得しやすくなるという傾向があるためです。
「家事を手伝ってよ」「静かに仕事してよ」と漠然と言われても、どうしたらいいか分からないと感じる人でも、「家事の全体量がこのくらいだから、あなたの受け持ちはこのぐらい」「仕事をするときはこの場所で作業して、電話をするときはこの部屋でしてほしい」と具体的なルールを決めると、納得して実行してくれるようになります。
お互いの家事の負担やストレスを軽減するために、生活のルール化は有効な方法だと言えるでしょう。
今のおうち時間はウイルスの世界的な流行によるものですが、夫婦で家にいることの悩みの内容は、実は退職後の夫婦の悩みと共通点が多いです。
主な共通点は、普段家事をしてこなかった人が家にいること。ただ家にいるだけの相手がうっとうしく思えて、家にいるのが気詰まりになってしまい、退職後に2人でのんびりするはずだったのが熟年離婚に至る…というのが典型例です。
私も、退職したご夫婦から関係性修復の相談を受けたときにはまず、ここに挙げたような生活のルール化を提案しています。
その上で、共通の趣味を持つようにすれば、妻が夫を「何もしないのに家にいる人」と思ってしまうことはなくなり、「一緒に生活して、一緒に趣味を楽しんでいく相手」と考えることができるようになります。
今は外食や旅行はできないので、「家で2人でお酒を飲む」「知らない映画を2人で見る」「一緒にお菓子作りをしてみる」など、とにかく2人で楽しめることを見つけましょう。今、ギスギスしてしまう夫婦は新型コロナウイルスの問題がなかったとしても、退職後にまた同じようにギスギスしてしまうかもしれません。
おうち時間はまだまだ続きます。これは退職後のシミュレーションだと捉えて、夫婦の関係性を考え直すきっかけにしましょう。
(文/構成・オトナンサー編集部)
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