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今年も芸能人の報道多く…「不倫」をする人に共通する特徴とは

今年も、芸能人の不倫が大々的に報道されました。芸能人の事例を通じ、不倫をする人の傾向について読み解きます。

後藤真希さん(2017年5月、時事通信フォト)
後藤真希さん(2017年5月、時事通信フォト)

 芸能人の不倫が今年もたびたび、テレビやネットで話題に上りました。多くの人は「自分は不倫しないから関係ない」と思っているかもしれませんが、ささいなことがきっかけで不倫に走るケースも珍しくありません。芸能人の事例を通じて見える不倫の背景について、男女トラブルに詳しい、弁護士の堀井亜生(あおい)さんに聞きました。

原田龍二、千原せいじ、後藤真希…

Q.芸能人の不倫について、今年はどのような傾向があるのでしょうか。

堀井さん「2016年にベッキーさんの不倫報道がありましたが、当時と比べると、芸能人がネット上などで激しいバッシングを受けることが少なくなったように感じます。一般の人が不倫報道に食傷気味なのかもしれません。

原田龍二さんは5月に一般女性との不倫が発覚しましたが、謝罪会見時の対応が誠実だったことや、不倫相手との密会場所が車だったという庶民的な要素で共感する人すらいました。千原せいじさんは5月と11月にそれぞれ別の女性との不倫が発覚しています。2回目の不倫の際には週刊誌記者の取材に対し、『モテたくてしょうがない』『モテるために芸能界に入ったようなもの』と話しており、納得した人もいたようです。

このように、男性の不倫は『浮気は男のかい性』として許される雰囲気もありますが、女性の不倫は違うようです。3月に元交際相手との不倫が発覚した後藤真希さんは、背景に夫のDVがあると報道されていました。不倫相手の男性はメディアに対し、『夫からDVを受けていると後藤さんから相談があった』と話しています。同情したくなりますが、それでも批判的な意見が多かったように思います」

Q.近年の傾向はどうでしょうか。

堀井さん「コミュニケーションアプリのLINE、ツイッター、インスタグラムなどのSNSが普及したことで、不倫相手がLINEのやりとりを第三者に暴露するケースが増えています。特に、一般女性と不倫をしていた男性芸能人がそうした被害を受けることが多いです。

不倫相手の女性の多くは、相手に対する恨みや金銭目的というよりも芸能人と付き合ったことを自慢するために暴露します。『私は一般人だから暴露しても問題ないだろう』などと考えるため、怖い存在です。そこで、不倫関係ではなくとも、芸能人が一般人と付き合う際にあらかじめ、『(付き合っていることを)公表しません』『写真は流通させません』などの同意書を取り交わすケースも増えつつあります」

Q.不倫が発覚した際、配偶者に払う慰謝料は、芸能人だとやはり高いのでしょうか。

堀井さん「芸能人と一般人で慰謝料が違うのかとよく聞かれますが、基本的には変わりません。離婚した際の養育費や財産分与は収入に応じて変わりますが、慰謝料はあくまでもらう側の問題なので、芸能人と一般人で費用が変わることはありません。男性が不倫した場合、基本的には、男性と不倫相手の2人で妻に慰謝料を払いますが、男性が全額払っても構いません。

慰謝料の相場ですが、年々低下傾向にあります。15年ほど前は、不倫がきっかけで離婚した場合の慰謝料は200万~300万円でしたが、現在は100万~200万円です。離婚せずに裁判に持ち込んだ場合は100万円以下です。相場が下がっているのは、以前ほど不倫関連の裁判が珍しくなくなったためだと思います」

Q.一般人も含め、不倫をする人の共通点はありますか。

堀井さん「男性は『異性と遊びたい』『若い人にモテたい』という軽い感覚で始めるケースが多いです。既婚であることを隠し、出会い系サイトなどで不倫相手を探しますが、遊び上手な女性よりも純粋な女性を求めます。

ただ、女性にはっきりものが言えない人が多く、『遊びだよ』とは言わずに『結婚しているから分かっているよね』と濁し、別れを切り出す際は『嫌いになった』とは言わず、『君の将来を考えると…』『もっとすてきな人がいるはずだ』などとごまかします。

一方、後藤真希さんのケースに当てはまりますが、女性は夫への不満や恐怖を別の男性に相談したことがきっかけで不倫に至るケースが多いです。夫に暴力を受けていたり、恐怖を覚えていたりする人が『夫にDVされた』『束縛がきつい』などと別の男性に相談をすることで、相談相手が『夫から逃がしてあげたい』という気持ちで付き合い始めるケースです。

なお、不倫が発覚した場合、女性は『(不倫相手の男性から)無理やり誘われた』などとうそをつくことが多いです。これは、夫から暴力を受けるのが怖いためです。(1)夫から逃げるために不倫をする(2)ばれたら、夫に有利なことや不倫相手に責任があるようなことを言う(3)怒った夫が不倫相手と話し合いをする、または裁判に持ち込む、の順に進みます」

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堀井亜生(ほりい・あおい)

弁護士

1977年生まれ。札幌市出身。中央大学法学部卒。一般民事、刑事、医療過誤、企業法務、著作権など幅広い分野を取り扱い、多数の企業・病院の顧問を務める。中でも離婚・男女問題の取り扱い実績が多く、離婚・男女問題のスペシャリストとして、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)のレギュラー出演をはじめ、「とくダネ!」「ノンストップ!」「笑っていいとも!」(いずれも、フジテレビ系)など多くのテレビ番組に出演。著書に「ブラック彼氏 恋愛と結婚で失敗しない50のポイント」(毎日新聞出版)。オフィシャルホームページ(https://horiiaoi.com/

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