在宅増加で不仲に…「コロナ離婚」をしないために実践すべきこと 専門家が解説
新型コロナウイルスの影響で増加が懸念される「コロナ離婚」。防ぐにはどうしたらいいのか、男女問題に詳しい弁護士が解説します。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けたテレワークの増加で、在宅時間が長くなった人たちが多くいます。在宅時間の増加によって不仲になる夫婦も増え、中には、離婚に至るケースもあるようです。こうした「コロナ離婚」を防ぐための方策を、男女問題に詳しい堀井亜生弁護士が解説します。
長時間一緒にいることがマイナスに
新型コロナウイルスの流行により、テレワークや休校などで家族全員が家にいる、いわゆる「おうち時間」が格段に増えました。それによって懸念されるのが、夫婦仲の悪化です。
実際に、私も「夫婦で家にいると、普通に働いていたときよりもギスギスしてしまう」という相談を主に女性から受けています。仕事で適度に離れていることで距離感を保っていた夫婦だと、長時間一緒にいることがマイナスになってしまいます。これが発展すると、新型コロナウイルスの影響で離婚に至るということもあるかもしれません。
コロナ離婚を防ぐためには、おうち時間をどのように過ごしたらよいのでしょうか。
家事を「見える化」、具体的なルールを
まず多いのが、家族で家にいることで、妻の毎日の家事が増えてしまうという不満です。例えば、料理については「家にいるから昼食も作らないといけない」「きちんとした料理を作って、みんなで食卓を囲まないといけない」…そう思って頑張ろうとしてしまうと、たとえ料理が好きな人であっても、負担が積もり積もって大きなストレスになります。
また、今までと違って夫婦で家にいるのに、夫の担当する家事は今まで通りごみ出しだけで、妻は料理に洗濯に掃除に…と家事をこなしていると、どうしても不公平に思いがちです。
一番重要なのは、負担に感じるような家事はきっぱりと割り切ってしまうことです。「家族全員の料理を作るのは1日1度」「買い物に行ける日はテークアウトやお総菜を買ってしまう」というように、やらないことはやらないと決めてしまいましょう。
その上で、おうち時間の期間は夫婦のテレワークの仕事量などを基準にして、家事の分担を決め直しましょう。
さまざまな夫婦の離婚問題を見てきた経験からいうと、家事をしていたかしていなかったかには、夫婦の双方で行き違いがあります。妻は「全然手伝ってもらえなかった」と主張する一方、夫は「半分はやっていた」と主張することが多いです。
このような行き違いが起きるのは、家事の全体量が把握できず、どう分担するかが見えていなかったからです。そのため、「自分がどのくらい家事をしたか」を妻と夫がそれぞれ主観で評価するようになっているのです。
そこで、家事を分担するにあたって、まず家事の量を「見える化」しましょう。「毎日やる家事がどのくらい」「数日に1度の家事がどのくらい」…とリストアップしていき、その上で夫婦の分担を決めて、おうち時間のルールにします。
仕事用のスペースは分ける
次に多いのが、夫の仕事ぶりを見て幻滅してしまうというケースです。
家族としての顔とは違う面を見られて新鮮に感じることもありますが、テレビ会議で部下に横柄にしていたり、パソコンの使い方が意外と下手だったりという姿を見て、がっかりしてしまうことも少なくありません。
住宅事情にもよりますが、仕事をするスペースは夫婦でできるだけ分けるようにしましょう。スペースに余裕がないのなら、「電話するときだけは別の部屋に移動する」「スピーカーホンはやめて、マイク付きイヤホンで通話する」という工夫も効果的です。
家族の前で仕事をすることだけでなく、普段の職場以外の場所で仕事をすること自体、ほとんどの人にとっては初めての経験です。どうやって仕事をするのがお互いにとって快適なのかを考えた上で、仕事の仕方もルール化するようにしましょう。
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