「FOMC=ハト派」という見方は正しいのか
「インフレが2%を超える可能性」
この2つの文章には大きな違いがあります。1月の声明文には、「現在の低いインフレが2%の目標に向けて上昇するのを見守る」との意味合いがありました。完全雇用がほぼ達成されているなかで、従来はインフレの低さが利上げを慎重に進める根拠となってきました。しかし、今回は「対称性の」が入ったことで、「インフレが2%を超える可能性もあり、その場合は(利上げによって)2%に下げる」との含意があります。
FOMCに参加する個々人の政策金利見通し、いわゆる「ドット」について、その中央値(17人のうち上からも下からも9番目の見通し)は2017年中に3回(残り2回)、2018年中にさらに3回の利上げを想定しています。昨年12月の前回の見通しと同じです。ただし、両年とも中央値のドットが増えて、それらより下のドットが減りました。中央値より少ない回数の利上げを想定する参加者が減ったことを示しています。政策金利に対するFOMC内の平均的な目線が以前より上がっていると解釈できます。
FOMC後のFFレート(政策金利)先物に基づけば、市場は今年6月と12月に追加利上げを予想しています。ただ、いずれも確率は5割をわずかに超える程度。自信を持って予想しているとは言いがたいものがあります。
今回の利上げが3週間前にはわずか3割の確率でしか予想されていなかったように、市場の予想は今後も状況に応じて大きく変化しうるでしょう。インフレが加速するようであれば、市場はFOMCのアグレッシブな利上げを急速に織り込むかもしれません。
(株式会社マネースクウェア・ジャパンチーフエコノミスト 西田明弘)

コメント