オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

人口減と少子高齢化を論じる前に、言わねばならないこと

部下に喝を入れられるのはリーダーだけ

 リーダーがだらけた行動をとれば、職員もだらけます。人は誰しも楽をしたいもの。そういった怠け心に喝を入れることができるのは、リーダーしかいません。その精神が感じられない地域のリーダーは、今すぐに考え方を改め直すか、できないのならば職を辞するべきです。

 目を覆いたくなるような事例は、黒岩知事だけではありません。福岡県飯塚市では市長と副市長が真っ昼間に賭けマージャンをしていたと報じられました。西郷隆盛と同じ九州での出来事です。即刻クビかと思いきや、そうならずに済むところが病根の深さを物語っています。

 まともな街づくりを進めるための基本は政策ではありません。リーダーの精神と気迫、心構えです。ここがシャンとせずにいくら立派な政策を語ったところで絵に描いた餅にもなりません。

 次回から、私が開成町で取り組んだ街づくりのプロセスを明らかにし、人口減少・少子高齢化社会にいかに立ち向かうかを解説していきます。その前に序論として、政策以前の重要課題を提起してみました。

(日本大学総合科学研究所教授 露木順一)

1 2 3

露木順一(つゆき・じゅんいち)

日本大学総合科学研究所教授・元神奈川県開成町長

1955年神奈川県開成町生まれ。東京大学教育学部卒。1979年NHK入局。政治部記者を長く務める。1998年2月から2011年3月まで神奈川県開成町長。人口増加率と合計特殊出生率において、県下トップクラスの町に発展させる。これらの実績の結果、2007年4月から内閣府地方分権改革推進委員会委員を務める。

コメント