行き場のない老後資金で愛する女性に家を…死期を悟った、おひとりさま男性の選択
50~54歳の未婚率は20%超。おひとりさまにとって、一生懸命ためた老後資金が病気などで使えなくなった場合、どうすべきかを考えておくことが大切なようです。

平成27年国勢調査によると、50~54歳の未婚率は20%を超えており、5人に1人は未婚者です。おひとりさまは世話や看病、介助してくれる家族がおらず、人手をお金で買うことになるので、既婚者より多くの老後資金が必要です。そのことを見通している未婚者はコツコツとお金をため続け、50代前半には一定の金額に達しているのではないでしょうか。
しかし、長い老後を見越して作った資金なのに病気やけがなど思わぬ形で老後が訪れず…その前に命を脅かされるケースも存在します。そうすると、ため込んだ老後資金をどうするのかが問題になります。すでに両親は亡くなっており、兄弟姉妹とは疎遠で付き合っている恋人もいない場合、どうすればよいのでしょうか。
今回、ご紹介する相談者は、スナックを経営するママの田原順子さん(仮名、42歳)。店の客である杉橋譲司さん(仮名、58歳)は今まで結婚歴のないおひとりさまですが、ママは彼に遺言を書かせたいというのです。一体何があったのでしょうか。
<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名、年齢は相談時)>
遺言者:杉橋譲司(58歳) 会社員(年収900万円)
遺言執行人:田原順子(42歳) スナック経営(年収不明)
受遺者:田原桜子(9歳) 小学生
20年の住宅ローンで戸建てを購入
「お店の客のことなんだけど…大急ぎで何とかなるかなあ」
ママが筆者に遺言の作成を依頼してきたとき、すでにママと譲司さんは男女の仲でした。最初は譲司さんがママに好意を寄せており、猛烈アタックを続けた結果、ママが「そこまで言うなら」と譲司さんの気持ちを受け入れた格好です。ママが「おうちが欲しい!」とせがんだので、譲司さんは58歳で、20年ものの住宅ローンをママとの連帯債務で組み、戸建て住宅(譲司さん5割、ママ5割)を購入したのです。
ママには婚外子の娘(9歳)がいるのですが、父親は既婚者なので不倫の子です。そのため、ママは父親に認知を求めず、養育費も請求せず、女手一つで今まで育ててきました。譲司さんと3人で暮らす姿は一見すると夫婦、そして家族同然でした。譲司さんの両親はすでに他界しており、姉と兄とは疎遠でほとんど連絡を取っていないそう。ずっと1人で生きてきた譲司さんにとって久々に味わう家族の温かさで、娘のこともわが子のようにかわいがりました。
「でも、杉橋さんとは結婚できないのよ」
ママは娘を米国の中学校に通わせるつもりでした。その中学校に入学できるのは、両親どちらかが米国籍の場合のみ。3年後、ママは米国人男性と再婚し、娘と養子縁組をする予定だったのです。
もともと、家はママへのプレゼントでした。ママへの愛情を形にすべく、譲司さんは住宅ローンを最後まで返済すること、そして、完済の暁には所有権をママへ譲渡することを約束し、一筆を交わしたのです。
不動産譲渡に関する契約書
杉橋譲司(以下、甲という)と田原順子(以下、乙という)は不動産の譲渡について以下のとおり、合意した。
甲は乙に対し財産分与として次に掲げる不動産(不動産の表示は省略)の所有権を2039年8月31日までに乙へ譲渡することとし、譲渡にかかる費用は甲が負担する。なお、当該不動産にかかるローンは甲が負担する。
2019年9月30日
甲 横浜市神奈川区新橋3-7-31
会社員 杉橋譲司
乙 横浜市神奈川区新橋3-7-31
店舗経営 田原順子
おひとりさまの話をよんで、男性は結婚できるとおもい、家を購入したのだと思った。そうでなければ、他人の為にローンを組んで迄購入しない。話が違うともめたすえ、2年で殺害されたのでは。独り身のきのやさしい男性は悪女に騙されないように気をつけて❗