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女性の「生理休暇」は法律で認められている…投稿話題 利用しにくいとの声も、実情は?

ネット上で、「生理休暇の取得は法律で認められている」という投稿が話題に。その法的根拠と実情について、専門家に聞きました。

「生理休暇」は法律で認められている?
「生理休暇」は法律で認められている?

 ネット上で先日、「生理休暇の取得は法律で認められている」という投稿が話題となりました。働く女性にとって、生理に伴うさまざまな症状は仕事に支障をきたしかねず、人によって症状の種類や重さも異なるため、「生理痛がつらくて仕事に集中できない」「出社するのもつらい」などの悩みがつきものです。また、生理休暇の取得についても「休めるなら休みたい」という声が多い一方で、「無給なの?」「正直、利用しづらい」など制度に関する疑問も多く見られます。

 働く女性の強い味方となり得る生理休暇について、社会保険労務士の木村政美さんに聞きました。

労働基準法68条に規定

Q.「生理休暇」が法律で認められているのは事実ですか。

木村さん「事実です。生理休暇とは、労働基準法68条で定められている休暇です。条文によると『生理日の就業が著しく困難な女性労働者が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない』とあります。法律で認められた休暇なので、会社の就業規則に生理休暇に関する記載がなくても、請求は可能です」

Q.生理休暇は、会社勤務の女性であれば誰でも取得できるのでしょうか。

木村さん「女性労働者であれば、正規・非正規といった雇用形態や役職などを問わず、誰でも請求できます。年齢や勤続年数の制限もありません。取得限度日数に関しては、国の通達により、就業規則などで上限を決めることはできないとされています。生理期間中のつらさの程度や労働の困難さは人によってまちまちであるためです。また、必ず日単位で取得しなくてもよく、半日や時間単位での取得も可能です」

Q.生理休暇を取得する際、診断書などの証明は必要でしょうか。

木村さん「働くことができないほどつらい症状であるにもかかわらず、休暇を取得するのに医師の診断書などの提出を必要条件にすると、わざわざ病院に行かなければならない上、発行には日数がかかるので、かえって休暇が取りづらくなってしまいます。そのため、特別な証明をしなくても生理休暇を取得することができるようになっています。また、会社側で証明を必要とする場合であっても、医師の診断書のような厳格な証明ではなく、例えば同僚の証言程度の簡単な事実証明でよいとされています」

Q.生理休暇を取得した日は有給扱いになるのでしょうか。それとも、無給扱いでしょうか。

木村さん「生理休暇中の賃金について、『有給としなければならない』という労働基準法の規定はありません。従って、有給とするか無給とするかは、会社で独自に決めることができます。その場合は、就業規則などに定めた上で運用していくことになります」

Q.生理休暇の取得が、有給休暇の付与・取得、社内評価に何らかの影響を与えることはありますか。

木村さん「有給休暇の付与と生理休暇取得の関係について、『生理休暇を請求して就業しなかった期間は、年次有給休暇の出勤日の算定に当たっては出勤したものとはみなされないが、労使間の合意によって出勤したものとみなすことも差し支えない』との通達があります。

労働者が有給休暇を付与されるには、『労働日の8割を出勤していること』という基準をクリアする必要がありますが、就業規則などで『生理休暇日について出勤日とみなす』旨の定めがない場合、生理休暇は欠勤扱いで計算されるため、取得日数によっては基準のクリアができず、有給休暇を付与されない可能性があります。社内評価については、賞与・昇給などでマイナス評価をされるなどの不利益な取り扱いはできないことが最高裁で確定しています」

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木村政美(きむら・まさみ)

行政書士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

1963年生まれ。専門学校卒業後、旅行会社、セミナー運営会社、生命保険会社営業職などを経て、2004年に「きむらオフィス」開業。近年は特にコンサルティング、講師、執筆活動に力を入れており、講師実績は延べ700件以上(2019年現在)。演題は労務管理全般、「士業のための講師術」など。きむらオフィス(http://kimura-office.p-kit.com/)。

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