年収2300万円医者と離婚、39歳女性が「養育費」の安定的支払いを勝ち取るまで(上)
クリニックを追い出され、立ち入り禁止に…
「それなら、俺一人でやっていくよ。お前らに仕事を邪魔されくないし、何をしようと自由だし、お前に文句を言われることもないからな! 望むところだ。別れたいなら別れてやるよ!!」
夫は、そんなふうに食ってかかってきたのです。さらに「もう手伝うな!」と言い出し、里美さんをクリニックから追い出して、立ち入り禁止にしてしまったのです。翌週には、別の人を雇って里美さんの代わりに据えたようで完全にあてが外れた形です。里美さんは今まで散々、夫のために貢献してきたのに今回、不義理の形で厄介払いされたのだから、離婚しないわけにいかなくなってしまいました。
ところで、里美さんが家を出る直前、夫から渡されていたのは毎月30万円。その中には、里美さんが夫のクリニックで働いた分が含まれておらず、すべて純粋な生活費だと思い込んでいました。
そこで、離婚後も当然のように30万円を払ってほしいと頼んだのですが、夫は里美さんを無理やりクリニックから追い出しておきながら、「お前はうちで働いていないんだから、払う金はない!」と言い放ち、養育費を一銭も払わないという姿勢を示したのです。
里美さんが「莉乃のことをちゃんと考えて!」と何度連呼しても、夫は裏切った里美さんへの怒りをあらわにするばかりで、らちが明かなかったので、里美さんは家庭裁判所に駆け込み、離婚調停を申し立てたのです。里美さんが筆者へ相談しに来たのはそんな矢先でした。
※「下」に続く
(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)
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