オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

激怒して食缶をひっくり返す…過剰な「完食指導」をなくすため、学校に今求められること

完食率が高い学校の共通点

 ちなみに、給食は自分の学校に給食室がある「自校方式」や、地域の給食センターにお願いする「センター方式」など、形式が学校によって違います。例えば、給食センターによっては、学校に向けて「○○小学校の○年生の残飯はこれくらいでした」という通知を出すところもあるようです。

 それを学校側が、そのままクラス担任の教師に伝えるだけでは、教師個人にプレッシャーをかける結果になり、それが児童生徒への過剰な完食指導につながってしまう可能性もあります。学校側として、ただ教師個人にプレッシャーをかけるだけではなく、「どうすれば、クラスの食べられない子は食べられるようになるのか」も同時に考える必要があるのではないでしょうか。

 筆者がさまざまな教育機関を訪問したところ、給食の完食率が高い学校やクラスには、1つの共通点があることが分かりました。それは「子どもたちの食の個性」を尊重した指導をしていることです。これは当たり前のように聞こえますが、過剰な完食指導をなくすには、こうした当たり前の積み重ねこそが大切なのだと思います。

(日本会食恐怖症克服支援協会 山口健太)

1 2

山口健太(やまぐち・けんた)

一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事

人前で食事ができない「会食恐怖症」の当事者経験から、食べる相手やコミュニケーションの違いによって食欲が増減することを実感。既存の「食べない子」への対処法に疑問を感じ、カウンセラーとして活動を開始。「食べない子」が変わるコミュニケーションノウハウの第一人者として、延べ1000人以上の相談を受ける。「楽しく食べられる」ようになる道筋を理論的に分かりやすく明示することで「食べない子」の問題を解決しながら、「食べない子」の親の肩の荷がおり、心が楽になるメソッドが特徴。カウンセリングや講演活動を通して「食べない子」に悩むお母さんや学校・保育園の先生などにメッセージを伝えている。著書に「食べない子が変わる魔法の言葉」(辰巳出版)。

コメント