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救急搬送されるケースも…実は怖い「じんましん」 茶色、ガサガサ表面も要注意

皮膚が赤く盛り上がり、かゆみを伴う「じんましん」。原因や種類、治療法、受診のタイミングについて皮膚科専門医に聞きました。

実は怖い「じんましん」
実は怖い「じんましん」

 突然、皮膚が赤く盛り上がってかゆくなる「じんましん」。一過性の場合がほとんどですが、繰り返したり、長引いたりするとつらいものです。別の病気が隠れている可能性があるじんましんの特徴や、救急搬送されてしまうかもしれないじんましん、そして、治療法などについて皮膚科専門医の慶田朋子さんに、聞きました。

「茶色くなる」「表面ガサガサ」は“別の病気”の危険性も

Q. まず、「じんましん」について詳しく教えてください。

慶田さん「じんましんは、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり、しばらくすると消える一過性の皮膚疾患です。

大抵はかゆみを伴い、チクチクした感じや焼けるような感じがすることもあります。また、赤い盛り上がりの大きさや形はさまざまで、融合して広範囲に広がったり、次々と新しい皮が出没する場合もあります。基本的には一過性のため、一度出現した皮疹が何日も残ったり、皮疹ができたところが茶色くなる、表面がガサガサするという場合は、別の病気が考えられます。

じんましんの赤い膨疹は、皮膚内の血管が一時的に膨らみ、血しょうが周囲に浸出することで起こります。その原因は、皮膚の血管の周りに散らばっているマスト細胞が、何らかの理由で放出するヒスタミンです。ヒスタミンが放出されると、皮膚の血管が反応して拡張し、血しょう成分の浸出を促します。また、ヒスタミンはかゆみ神経も刺激するため、じんましんができるとかゆみを伴うのです。

じんましんの重症型では、むくみが消化管や気道に生じ、腹痛や下痢、息苦しさ、喉の詰まるような症状がでることがあります。特に、呼吸苦を伴うじんましんは救急対応が必要なので、速やかに受診してください」

Q.じんましんができる原因についても教えてください。

慶田さん「じんましんには、アレルギー性のものと、非アレルギー性のものがあります。原因としてよく知られているのは、『I型(即時型)アレルギー』と呼ばれる反応です。特定のアレルゲンがIgE抗体と結合し、マスト細胞が活性化されることで症状が現れます。

一方、非アレルギー性のものでは、別の仕組みでマスト細胞が活性化されることで起こります。例えば、ある種の抗生物質や鎮痛薬などは、マスト細胞を活性化する可能性があると指摘されています。

じんましんの原因や誘因は実にさまざまです。食物、食品添加物、植物や昆虫、感染症のほか、物理的刺激、運動や発汗、疲労などもじんましんの症状につながることがあります。そのどれもが、必ずしも誰にでもじんましんを起こすものではなく、体質と外的要因が組み合わさった時に症状が現れるのです」

Q.では、じんましんができた時の対処法も教えてください。

慶田さん「じんましんの症状が出てから1カ月以内のものを『急性じんましん』、それ以上続くものを『慢性じんましん』といいます。

ほとんどの場合は、たまたま一度だけ現れるか、くり返しても1カ月以内に起こらなくなる急性じんましんです。皮疹が出現してから1時間以内に消える、かゆみの自覚がない、もしくは、あってもわずかな場合は、放置しても問題ありません。

じんましんをくり返す場合は、原因特定のため皮膚科を受診してください。じんましんの対処は、まず原因や悪化因子を見つけて取り除くことが基本です。何らかのアレルギーや食品、物質が原因となる場合は、検査で原因を突き止めることができ、その原因となる刺激を避けている限り症状は起こりません。実際は、原因不明の場合が多く、過労や精神的ストレスが悪化因子となる慢性じんましんが大半を占めます。

次に選択される対処法は、抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬の内服薬か注射薬です。じんましんの原因はさまざまですが、そのほとんどはマスト細胞から放出されたヒスタミンです。ヒスタミンの作用を抑えるこれらの薬は、じんましんの種類を問わず効果が期待できます。外用薬は、多少かゆみを軽減する程度で、あまり大きな効果は期待できないでしょう。

このほか、じんましんの増悪因子となりやすい疲労やストレスをできるだけ溜めないようにする、生ものはできるだけ新鮮なものを選ぶ、防腐剤や色素を含む食品を控えめにする、といったことに注意するのも大切です。

じんましんが1カ月以上続く慢性じんましんになると、特に皮膚以外に症状がない場合は、ほとんど原因を明らかにすることができません。慢性じんましんの多くは、症状の有無に関わらず、長期にわたり薬を飲み続ける必要があります。そうしてうまく症状をコントロールしていくと、ほとんどの場合は少しずつ薬の量を減らすことができ、やがては薬を中止できるようになります」

(オトナンサー編集部)

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慶田朋子(けいだ・ともこ)

銀座ケイスキンクリニック院長 医学博士

1999年、東京女子医科大学医学部卒業、同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、2011年に銀座ケイスキンクリニックを開設。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」をかなえる美容皮膚科医として多くの患者から厚い信頼を得ている。皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣などの分かりやすい解説が人気で、テレビ、雑誌、ウェブなど多方面で活躍中。学会や論文などで、新しい皮膚科学を常に学び続け、発信を続けている。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。著書「女医が教える、やってはいけない美容法33」(小学館)が好評。

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