子どもの写真だけドーンの年賀状はアリ? SNS上では否定的意見も…子育ての専門家が解説
わが子だけが写ったベストショットを年賀状に使う人がいますが、SNS上では否定的な声も少なくありません。専門家に聞きました。

2018年も残りわずかとなり、年賀状の準備をする時期です。子どものいる家庭では、わが子だけが写ったベストショットを年賀状に使うケースもありますが、これについてSNSでは、「子どもの写真だけがどーんと載っている年賀状はいらない」「家族写真ならうれしいけど、子どもの姿だけ送られても」「自分なら送らない」など、否定的な声も少なくありません。送る相手によっては印象を悪くすることもあるようです。
これについて、専門家の見解とはどのようなものでしょうか。20年間にわたって学習塾を経営し、著書に「1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ」(日本実業出版社)などがある、子育て本著者・講演家の立石美津子さんが解説します。
祖父母や先生は喜んでくれる
年賀状は「新年を祝い、これを言葉をもってあいさつし、旧年中の厚誼(こうぎ)の感謝と新しい年に変わらぬ厚情を依願する気持ち」を文章にしたため、元旦に届くよう、はがきで送るものです。中でも、特に親しい相手には近況などを交えたメッセージを添えることもあるでしょう。
会社勤めをしていた頃のことです。毎年、取引先から多くの年賀状が届きましたが、その中に、子ども“だけ”の写真が大きく載った年賀状が何枚か交じっていたことがあります。問題は、その子どもと面識のある人が社内に一人もいないこと。見知らぬ子どもの写真だけが載った年賀状を取引先に送るのは、少し非常識なように思えます。
一方、家庭に届く年賀状の大半は、家族の誰かと付き合いのある親戚や友達からのもの。面識のある人から家族写真の載った年賀状をもらうと、現在の姿がよく伝わり、「元気そうでよかった」と喜びもひとしおでしょう。
子どもの写真だけを使った年賀状の場合は、送る相手が祖父母であれば、孫の顔だけが大きく載っているものでもうれしく感じることでしょう。また、子どもを会わせたことのある友達や、幼稚園・保育所・学校の先生に送れば、受け取る側もきっと喜んでくれるはずです。
しかし、子どもと一度も会ったことがない場合、子どもだけの写真が大きく自己主張している年賀状を受け取った側は、どう感じるでしょうか。たとえ、友達の子どもであっても、困惑したり、心証が悪くなったりする人もいるかもしれません。「友達だからよい」とは限らないケースもあるのです。
このような年賀状について、実際に子育てをしている母親でも、「自分が受け取ったら嫌だから、相手にも出さないようにしている」人が少なくありません。たとえ、友達の子どもであっても、一度も会ったことのない子どもの姿だけを大きく載せた年賀状を送るのは、年始のあいさつとしては、「ふさわしい」とは言えないのではないでしょうか(※出産報告はその限りではない)。
子どもだけでなく、送り主本人も写っている写真を使った年賀状なら、受け取った側も友達自身の近況を知ることができ、きっと喜ばれるでしょう。どうしても子どもだけの写真を使った年賀状を送りたい場合、子どもがいない友達や不妊に悩む友達に対しては控えるなど、送る相手の選び方や、相手に対する配慮を意識することが大切です。
皆が明るい気持ちで新年を迎えられるよう、年賀状にも細やかな心配りが必要なのではないでしょうか。
(文/構成・オトナンサー編集部)
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