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高樹沙耶容疑者逮捕で「相棒」ピンチに…テレビ局などが取りうる法的措置とは

大麻取締法違反容疑で逮捕された、元女優の高樹沙耶容疑者が出演していたドラマ「相棒」(再放送)が、急きょ差し替えられるなど危機に立たされています。今回は、こうしたケースでテレビ局などがタレント側に取りうる措置について考えます。

テレビ局などはこうした危機にどう対処しうるのか…

 大麻取締法違反容疑で逮捕された、元女優の高樹沙耶容疑者が出演していたテレビ朝日系人気ドラマ「相棒」が、今回の事件によってピンチに立たされています。

 同ドラマは、連続ドラマとしては2002年に放送が開始され、俳優の水谷豊さん演じる刑事・杉下右京が部下(相棒)とともに難事件を解決していくストーリー。高樹容疑者は小料理屋の女将・宮部たまき役で、2011年10月の「season10 第1話」までの膨大な放送回に出演しています。

 しかし、事件を受けて同局は、高樹容疑者の出演回を急きょ差し替えるなどしており、今後も何らかの対応を迫られると見られています。

 オトナンサー編集部では、こうしたケースでテレビ局などが金銭的補償も含めて、どのような手段を取ることができるのかについて、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に話を聞きました。

素行不良行為は契約違反、期間内なら損害賠償請求可

Q.今回のケースではテレビ局側に大きな損害が出ることが予想されます。こうした場合に、局側は法的手段に訴えることができるのでしょうか。

A.テレビ局とタレント側はドラマ制作にあたり出演契約を結びます。素行不良行為は通常、契約違反にあたるため、契約期間内であれば、局側は契約違反を主張し、タレント側に損害賠償請求することができます。また、今回のようなトラブルが生じた場合の違約金があらかじめ契約で決まっていれば、損害賠償請求がより容易になるでしょう。

Q.高樹容疑者は事務所に所属していませんが、現役タレントの場合、局側は事務所に損害賠償請求するのでしょうか。

A.出演契約がタレント個人とテレビ局との間で結ばれているのであれば、局側は所属事務所に損害賠償を請求することはできません。もっとも、タレントが支払えないので所属事務所が立て替えることはあり得ますが。一方、出演契約が所属事務所と結ばれていれば、局側は所属事務所に対して損害賠償請求することができます。

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岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

弁護士

東京弁護士会所属。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。パワハラ、不当解雇、残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。近著に「ブラック企業に倍返しだ!弁護士が教える正しい闘い方」(ファミマドットコム)。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」(http://ameblo.jp/yoshiyuki-iwasa/)も更新中。頼れる労働トラブル解決なら<http://www.adire-roudou.jp/>。

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