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【賛否】女性用トイレに「5歳の男児」を連れて入る母親は《アリ》なのか…障害児を持つ親たちには苦悩も

「女性用トイレに、5歳の男児を連れて入る母親はアリなのか」。ネット上でたびたび議論になるテーマですが、障害児を持つ親たちは、日常的にこの困難に直面しているようです。

賛否分かれる「トイレ」問題の生々しい実態は… ※画像はイメージ
賛否分かれる「トイレ」問題の生々しい実態は… ※画像はイメージ

 最近、「女性用トイレに、母親が5歳くらいの男児を一緒に連れて入ること」の是非について、インターネット上で活発な論争が起こりました。常に賛否あるテーマですが、実際、ネット上で定期的に議論される話題でもあります。

 公衆浴場では全裸になります。でも、トイレは全裸になるわけではなく、特に女性用トイレの場合、すべて個室になっているわけですから、他人の排せつの様子や陰部を異性が見る環境ではありません。そういう意味でトイレ問題は、公衆浴場における類似の問題と似ているように見えて、実際は似て非なるものだと、子育て本著者・講演家の私は感じています。

公衆浴場は「7歳以上の子ども」が基準に

 さて、公衆浴場については、国が「おおむね7歳以上の男女を混浴させないこと」という指針を示しています。つまり、「7歳以上の子どもは、男の子は男湯、女の子は女湯を利用すること」という意味です。

 オムツを付けている乳幼児の男児が、母親と一緒に女性用トイレに入るのは普通の光景ですが、5歳の男児が母親と一緒に女性用トイレに入ることについては、人によって感じ方が違います。一方、5歳の女児が、男性用トイレに父親と一緒に入ってきた場合、違和感を抱く人がほとんどだと思います。なお、トイレに関しては公衆浴場のように、国から明確な年齢基準や利用指針が示されているわけではありません。

 子どもは、見た目と実際の年齢のギャップがあることも少なくありません。小学生でかなり小柄な子もいれば、幼児でも大柄な子もいます。年齢の札を付けてトイレに入るわけではないので、基準を設けるのも難しいと思います。

障害児を持つ親が直面する現実

 これが問題になるのは、障害のある子どもを持つ母親の場合です。

 例えば、障害のある5歳以上の男児の場合、次に挙げるような困難な状況に直面します(障害のある女児が父親と外出する際も同様です)。

・一人で男性用トイレに行かせることができない(迷子やパニックの危険性)
・母親がトイレを利用している間、外で、1人で待たせることができない(脱走やパニックを起こすことがある)
・トイレ内での性被害への不安

 これらの解決策の一つとして、「多目的トイレを使う」という方法はあると思います。

 同様の課題を抱えているのは、障害児を持つ親だけではありません。私は週末に、障害のある人の外出を支援するガイドヘルパーの仕事をしており、この問題を日常的に体験しています。ヘルパー業界においても大きな課題です。

・多くの女性がパートタイムとして働いている
・それに対し、利用者は圧倒的に男性が多い(特に自閉症は、おおむね男女比6:1)
・必然的に女性ヘルパーが男性利用者を支援する「異性介助」が頻発

 異性介助の場合、成人男性を女性用トイレへ一緒に連れて入るわけにはいかず、次のような方法を取っています。排せつが自立している利用者(男性)との外出時に、ヘルパー(女性)がトイレに行きたくなった場合の対処法の例です。

【第三者への協力依頼】

交番の職員や店舗スタッフに「少しの間、見守りをお願いします」と依頼します。しかし、相手の都合により断られることもあり、毎回可能とは限りません。

【多目的トイレの共同利用】

成人男性の利用者と一緒に多目的トイレへ入り、「向こうを向いていてください」とお願いして利用することもあります。理想的ではありませんが、現実的な選択肢として実行せざるを得ない場合があります。

【緊急時の短時間利用】

どうしても他に方法がない場合は、「一瞬で済ませる」ことを心がけ、可能な限り短時間でトイレを済ませます。この間、利用者には「ここで待っていてください」と伝えますが、常に不安を感じながらの利用となります。

【男性用トイレ入り口での見守り】

利用者が一人でトイレに行ける場合は、男性用トイレの入り口で待機し、声をかけて状況を確認します。ヘルプマークを付けてはいますが、性善説で「何かあったときに他人が助けてくれる」と考えてもよい一方で、「知的障害者だな」と思われて、かえって性被害に遭うこともあります。そのため、ハラハラドキドキしながら入り口で待機しています。

 さて、皆さんは「5歳以上の男児が、母親と一緒に女性用トイレに入ってくる」ことについて、どうお感じになりますか?

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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