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5月は「頑張っていた子」がふと立ち止まる時期…子どもの“登校しぶり”に親ができること【3ステップ】

新学期スタートから1カ月。もし子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、親はどうすればいいのか――。親子問題研究家が、親ができる“3つのこと”を示します。

もし子どもが“登校しぶり”をしたら…
もし子どもが“登校しぶり”をしたら…

 新学期が始まって1カ月ほどがたち、少しずつ生活のリズムが落ち着いてくる5月。しかしこの時期、子どもたちの中には「学校に行きたくない」と登校をしぶる子が現れることも少なくありません。

 そんな子どもの繊細な変化のタイミングに、大人ができることは何か――。1万人以上の子どもたちと向き合ってきた安藤塾(三重県伊勢市)代表取締役で親子問題研究家・安藤大作さんに、5月に起こりやすい「登校しぶり」の背景と、親としてできる3つの対応策を教えていただきました。

「頑張っていた子」がふと立ち止まる、5月という季節

 新学期の慌ただしさが一段落する5月。子どもたちはそれぞれに、新しいクラス、新しい友達、新しい環境の中で、緊張と期待を抱えながら日々を過ごしています。そんな時期に、ふと立ち止まってしまう子が表れる背景について、安藤さんはこう語ります。

「『自分の居場所があるかないか』、結局はここに行き着きます。新学年、新クラス……そこに本人の居場所があるかどうかです。

一般的には運動会や文化祭なども含めて、子どもたちが行事などを共につくり上げていく過程でコミュニケーションが生まれて、自分の存在が輪郭を帯び始めてきます。しかし、5月はまだ目立った行事ごともなく、コミュニティーが一部の社交的な子たちだけのものになってしまいがちです。そうすると、そこに自分の居場所がないかのように感じるお子さんも出てきてしまいます」

 親から見れば「この前までは元気に登校していたのに……」と驚くかもしれませんが、子どもの変化は静かに、じわじわと起きているものです。表情や口数、寝起きの様子、食欲などの“ちょっとした違和感”が、実は心のサインであることも少なくありません。

 では、繊細なサインをキャッチしたとき、どのように対応すればよいのでしょうか。まず学校という“場”で何が起きているかを、親が把握することが大切であると安藤さんは言います。

「お子さんの学年にもよりますが、お子さんが小学生くらいまでは、登校できるような『支援』が必要でしょう。それはすなわち学校という社会の中で、いったい何が起こっているのかを親が知る、学校に相談するということです。まだ春なので、何かがこじれていても修復はそう難しくありません。早めに学校に相談することをおすすめします。

さらに具体的にいえば、何か行事をしたり、話し合う授業をしたりと、クラスづくりにつながるような時間をとってもらうようにお願いをしていくことなどが挙げられます。繰り返しになりますが、機会がなくても友達づくりや居場所づくりに長けている子もいれば、機会を与えられないとなかなか自分の居場所を自らつくっていけない子もいます。従って、学校に相談することでうまくいくケースもあるでしょう」

「担任の先生に様子を聞く」「子どもの見えている世界を一緒にのぞいてみる」など、まだ春のうちであれば、関係の修復や居場所づくりのサポートも難しくありません。しかし一方で、思春期になると、また話は変わってくるのだそうです。

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安藤大作(あんどう・だいさく)

株式会社安藤塾 代表取締役/親子問題研究家

1969年三重県伊勢市生まれ。幼少時、両親が離婚。その後、母親と離れての生活、預け入れ先での大家族の環境で育つ。その過程の中で、自身の心の闇と葛藤し、自死の一歩手前までに追いつめられる。そこから自分の内面に向かう旅を始め、多くの真理と愛に気付く。人間・人生の素晴らしさ、誰しもが無限の可能性をもっていることを伝えるために、1991年、信州大学卒業と同時に8畳一間の看板もパンフレットもない状況での安藤塾を開設。不登校、不良問わず、子どもたちに熱心に関わり、合格実績ほか子どもたちの人間的に成長することから、口コミを中心に多くの生徒が通うようになる。その後、400人近い生徒を1人で指導し、地域の有名塾になる。現在は十数校舎まで拡大し、県下トップのクラスの塾グループとなる。2002年、新たに講師を加え、安藤塾として看板を掲げる。現在は十数校舎まで拡大し、2000人の生徒を有する県下トップのクラスの塾グループとなる。学習塾の他に、保育園、学童保育、サッカークラブ、海外留学など、さまざまな教育活動を展開。氏の考え方や指導法は、県下でも高く評価され、多くのマスコミにも取り上げられている。

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