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「もしかして、うちの子だけ?」と感じる親も…“居場所迷子”になったわが子への「親の寄り添い方」5選

新学期から1カ月がたち、わが子の“ちょっとした違和感”に気付く親もいると思います。「居場所迷子」になった子に、親ができることは……。

わが子の“違和感”に気付いたら…
わが子の“違和感”に気付いたら…

 新学期が始まって1カ月がたち、ゴールデンウイークも明けた5月。「新しいクラス、うまくいってるのかな」「最近、学校の話をしてくれない」…そんなふうに、わが子の様子に“ちょっとした違和感”を覚える親御さんもいるのではないでしょうか。

 実はこの時期、多くの子どもたちが「自分の居場所」について静かに模索しており、新しい環境に飛び込んでいくことが得意な子もいれば、なかなか最初の一歩が踏み出せず「居場所迷子」になっている子もいます。

「“うちの子だけ”がうまくいっていないように見えてしまうのは当然のこと。でも、多くの子どもが今、“居場所づくりの途中”なんです」。そう語るのは、1万人以上の子どもたちと向き合ってきた教育者で、安藤塾(三重県伊勢市)代表取締役の親子問題研究家・安藤大作さんです。5月の子どもたちが直面しやすい“心のゆらぎ”と、この時期に親ができる5つの関わり方について、安藤さんに教えていただきました。

5月、子どもに何が起きている?

「5月は、子どもにとって“居場所づくりの途中”の時期です」と話す安藤さん。新しい学校、新しい先生、新しいクラス、新しい友達……環境の変化に緊張しながら、子どもたちは自分のポジションを探し続けています。

「無意識のうちに、『この中で、どこに自分の居場所をつくればいいんだろう』『どんなポジションを取ればいいんだろう』と、居場所迷子になったり、プレッシャーを感じていたりする子がとても多いんです」

 社交的な子や、過去の成功体験がある子は、新しいクラスでも自信を持って行動し、自然と人間関係を築いていきます。一方で、多くの子どもたちはまだ模索の途中。自分の居場所を探している段階です。

「そういう子にとっては、目立たない日常の中で“同じように探している仲間”と出会えることが、大きなきっかけになります。同じように居場所を探している子に、自分からちょっと声をかけてみる。実はそれが、人間関係が広がる一番早い方法なんです」

 とはいえ、自分から声をかけるのが苦手な子も少なくありません。その背景には、「うまくいかなかった経験」や「踏み出すことへの不安」があるといいます。

「そういう子にこそ、家庭の中で“ちょっとした成功体験”を積ませてあげてほしいんです。例えば、『買い物中に店員さんに質問してみる』『旅行先で写真撮影をお願いしてみる』……そんな、小さな『自分から話す』経験が、学校での一歩につながります」

 子どもが友達づくりに悩んでいる様子を感じたとき、親はつい「友達できた?」と聞いてしまいがち。しかし、それが逆効果になってしまうこともあると安藤さんは言います。

「子どもだって、自分が友達をつくれずに悩んでいる、なんて思われたくないんです。たとえ親であっても、です。

ですから『友達作れないの?』なんてストレートに聞くのではなく、『◯◯ちゃんと話してみたら?』といった、さりげない言い方がよいですね」

 あくまで「信じている」という姿勢をベースに、さりげなく後押しする声かけが、子どもに届くアドバイスになります。

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安藤大作(あんどう・だいさく)

株式会社安藤塾 代表取締役/親子問題研究家

1969年三重県伊勢市生まれ。幼少時、両親が離婚。その後、母親と離れての生活、預け入れ先での大家族の環境で育つ。その過程の中で、自身の心の闇と葛藤し、自死の一歩手前までに追いつめられる。そこから自分の内面に向かう旅を始め、多くの真理と愛に気付く。人間・人生の素晴らしさ、誰しもが無限の可能性をもっていることを伝えるために、1991年、信州大学卒業と同時に8畳一間の看板もパンフレットもない状況での安藤塾を開設。不登校、不良問わず、子どもたちに熱心に関わり、合格実績ほか子どもたちの人間的に成長することから、口コミを中心に多くの生徒が通うようになる。その後、400人近い生徒を1人で指導し、地域の有名塾になる。現在は十数校舎まで拡大し、県下トップのクラスの塾グループとなる。2002年、新たに講師を加え、安藤塾として看板を掲げる。現在は十数校舎まで拡大し、2000人の生徒を有する県下トップのクラスの塾グループとなる。学習塾の他に、保育園、学童保育、サッカークラブ、海外留学など、さまざまな教育活動を展開。氏の考え方や指導法は、県下でも高く評価され、多くのマスコミにも取り上げられている。

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