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「もしかして、うちの子だけ?」と感じる親も…“居場所迷子”になったわが子への「親の寄り添い方」5選

家に「安心」を、外に「挑戦」を

 5月の不調には、「新しいこと」に対するネガティブな感情も影響していると安藤さんは指摘します。

「“新しい”というだけで、緊張したり、身構えてしまったりする子が多いんです。でも、『新しい=楽しい』という感覚を、日常会話の中で少しずつ育てていくことはできます」

 例えば、子どもが「別に…」とそっけなく返してきたとしても、「そっか。でも、それって逆に新しくて面白いかもね」と返してあげる。そんな会話の積み重ねが、『新しさ=可能性』という視点につながります。

 不安そうな子どもを見て、「無理しなくていいよ」「家にいればいいよ」と伝えたくなるのが親心。しかし、その伝え方にも少しだけ配慮が必要だと安藤さんは言います。

「『家に居場所があるから無理しなくていい』というメッセージばかりを送り続けると、子どもが『外で挑戦してみよう』という意欲を失ってしまうこともあるんです」

 もちろん、家庭が“安心の場”であることは大前提です。けれども、外の世界でも自分の居場所をつくっていく力を育てていくことも、同じくらい大切です。

「その過程を、親は『見守りながら後ろで支える』立場でいられたらいいと思います」

【まとめ:5月、“居場所”に悩む子に親ができる5つのこと】

(1)「居場所を探している時期」だと理解する
→ 焦らずに見守り、子どものペースを尊重する

(2)家庭で“小さな成功体験”を積ませる
→ 自信の種になるような、日常での声かけを意識する

(3)助言は「さりげなく、肯定的に」届ける
→ プライドを傷つけず、「信じてるよ」の姿勢を忘れずに

(4)日常の会話で「新しい=楽しい」感覚を育てる
→ ネガティブな反応にも、さりげないポジティブ変換を

(5)家に安心を、外に挑戦を
→ 安心の場を保ちつつ、外での一歩を応援する

 子どもたちが“居場所”を探す5月。親のさりげない関わりと、温かなまなざしが、子どもにとっての「自分で居場所をつくる力」につながっていくことを応援しています。

(オトナンサー編集部)

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安藤大作(あんどう・だいさく)

株式会社安藤塾 代表取締役/親子問題研究家

1969年三重県伊勢市生まれ。幼少時、両親が離婚。その後、母親と離れての生活、預け入れ先での大家族の環境で育つ。その過程の中で、自身の心の闇と葛藤し、自死の一歩手前までに追いつめられる。そこから自分の内面に向かう旅を始め、多くの真理と愛に気付く。人間・人生の素晴らしさ、誰しもが無限の可能性をもっていることを伝えるために、1991年、信州大学卒業と同時に8畳一間の看板もパンフレットもない状況での安藤塾を開設。不登校、不良問わず、子どもたちに熱心に関わり、合格実績ほか子どもたちの人間的に成長することから、口コミを中心に多くの生徒が通うようになる。その後、400人近い生徒を1人で指導し、地域の有名塾になる。現在は十数校舎まで拡大し、県下トップのクラスの塾グループとなる。2002年、新たに講師を加え、安藤塾として看板を掲げる。現在は十数校舎まで拡大し、2000人の生徒を有する県下トップのクラスの塾グループとなる。学習塾の他に、保育園、学童保育、サッカークラブ、海外留学など、さまざまな教育活動を展開。氏の考え方や指導法は、県下でも高く評価され、多くのマスコミにも取り上げられている。

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