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梅毒、クラミジア…「性感染症」にかかると、どんな症状が出る? 感染経路&予防法とは【医師が解説】

性感染症を防ぐには?

Q.性感染症を防ぐには、どのような対策が必要なのでしょうか。

百束さん「性感染症の基本的な予防対策は、コンドームの使用を徹底することです。特にクラミジアや淋病、梅毒などの細菌感染症は、適切にコンドームを使用することで感染リスクを大幅に減らすことができます。

ただし、梅毒や性器ヘルペス、尖圭コンジローマなど、病変部の皮膚に接触しただけで感染する病気もあるため、定期的な検査を受けることが重要です。

また、先述のように尖圭コンジローマ、B型肝炎についてはワクチンがあります。特にHPVワクチンは、性交渉を始める前に接種することで最大の効果を得ることができます。

このほか、HIVについては、日常的に服用するPrEP(プレップ)、リスク行為後に服用するPEP(ペップ)というHIV予防薬があり、HIVを予防するにはこれらの薬を活用するのが効果的です。PrEPやPEPは医療機関で処方されるため、HIVに感染するリスクのある人は、事前に専門医に相談するとよいでしょう。

性感染症は放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見・治療のために定期的な検査を受けることをおすすめします」

Q.B型肝炎は感染者の血液を介してうつることもあるということですが、B型肝炎のように性交渉以外で性感染症に感染するケースはあるのでしょうか。

百束さん「先ほどの説明と重なる部分もありますが、性感染症の中には、B型肝炎のように性交渉以外の経路で性感染症に感染するケースもあります。一部の性感染症は、母子感染のほか、輸血や注射器の共用による血液感染によってもうつることがあります」

(1)母子感染(垂直感染)
母親が性感染症に感染している場合、妊娠や出産、授乳を通じて胎児や赤ちゃんに感染することがあります。

・HIV
胎内や母乳を通じて胎児や赤ちゃんに感染する可能性があります。

・梅毒
妊娠中に胎児へ感染すると「先天梅毒」となり、重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。

・クラミジア感染症、淋病
出産時に産道を通ることで胎児に感染し、結膜炎や肺炎の原因となることがあります。

妊娠中の性感染症は、流産、早産、胎児の発育異常のリスクを高めるため、妊婦健診でのスクリーニング検査が推奨されています。

(2)血液を介した感染(血液感染)
性感染症の一部は、感染者の血液が体内に入ることで感染することがあります。例えば、HIVやB型肝炎、C型肝炎、梅毒の場合、注射器やカミソリの共用、入れ墨(タトゥー)やピアスの施術、輸血などを介して感染する可能性があります。タトゥーやピアスの施術を受ける際は、信頼できる施設を選ぶことが大切です。

(3)タオルや入浴などによる接触感染の可能性
性感染症の中には、皮膚や粘膜の接触を通じて感染するものがあり、タオルや下着などを介して感染する可能性が指摘されています。

例えば、梅毒や性器ヘルペス、尖圭コンジローマの感染者が触れたタオルや下着などを介して細菌、ウイルスが付着し、皮膚の傷口や粘膜から感染する可能性があります。また、トリコモナス症の病原体であるトリコモナス原虫は水分のある環境で短時間生存できるため、感染者とタオルや浴槽を共用した場合、それらを介して感染することがあります。

ただし、これらの感染リスクは極めて低く、日常生活で必要以上に心配する必要はありません。感染予防のためには、「洗浄」「乾燥」「タオルや下着を共用しない」「公共の場では清潔な状態を保つ」などの基本的な衛生管理が大切です。

(4)キスや体液の交換による感染
性感染症の場合、カミソリの共有で傷口から他者の体液が入り感染が成立するのが有名です。一部の性感染症は、キスや唾液の交換だけでも感染する可能性があります。

・梅毒
口内にできた梅毒のしこりに触れることで感染する可能性があります。

・性器ヘルペス
オーラルセックスを通じて口唇ヘルペスが性器に感染するケースがあります。

・クラミジア感染症、淋病
咽頭感染を起こしている場合、キスやオーラルセックスを通じて感染することがあります。

・B型肝炎
唾液での感染も多いのが特徴です。

・尖圭コンジローマ
オーラスセックスだけで尖圭コンジローマに感染するケースがあります。

・HIV
傷口や口などを介して感染者の血液が混ざれば、唾液でも感染することがあります。

 以上のように、性感染症は、性行為を介して感染するものが大多数ですが、母子感染や血液感染、接触感染など、性交渉以外で感染するケースもあります。特に、妊娠中の感染は胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、ブライダルチェックや妊婦健診での検査が重要です。また、医療機関や公共施設での適切な衛生管理が大切です。

 ただし、日常生活でタオルや下着などを介して感染する可能性は極めて低いため、過度な不安を持つ必要はありません。何度も強調しますが、感染予防のためには、コンドームの適切な使用、定期的な検査、個人の衛生管理を徹底することが大切です。性感染症について疑問や不安がある場合は、早めに医療機関に相談し、適切な対応を取ることをおすすめします。

(オトナンサー編集部)

【要チェック】これが「性感染症」を予防する方法です(画像7枚)

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百束全人(ひゃくそく・まと)

医師

東京工業大学在籍後、直接人の役に立ちたいと医学の道を志し、2012年に日本医科大学医学部に入学。2018年に同大学卒業。医師免許取得後、会津中央病院での臨床研修を経て、日本医科大学武蔵小杉病院勤務で泌尿器科を学ぶ。その後、水道橋スクエアクリニック勤務で皮膚科診療を経験し、2024年より皮膚・泌尿器科領域での性感染症内科ペアライフクリニック(https://pairlife-clinic.com/)勤務。現在に至る。

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