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災害が続き…被災者以外の「共感疲労」が話題に その症状やケアは? 精神科医に聞く

共感疲労は、どうケアすればよい?

Q.共感疲労のケア方法はどのようなものですか。

宮島さん「『書き出す』ことを意識して行ってください。自分の素晴らしいところ、相手の素晴らしいところをはじめ、心に引っかかる出来事や良かった点、感謝していることを書き出してみましょう。また、自分の好きなことをする時間、考える時間を大切にしながら、家族やペットとの時間を過ごすことも大切です」

Q.共感疲労をできるだけためないようにするために、日頃から意識するべきことは。

宮島さん「最も効果的なのは、当院でも取り入れているメソッド『満月の法則』を実践することです。月が三日月に見える時、太陽がそのように当たっているだけで、本当の姿は常に“まんまる”の満月です。人間も同様に、相手のトラウマや悩み、苦しみの状態を三日月とし、その人の実体(本当の姿)を満月として接することで、そのままの自分を受け入れようと考えます。

常に、患者さんや相手を“まんまる”という前提で接してサポートすることで、相手の心の問題(トラウマなど)が解消されていき、同時に自分の心の問題も解消され、共感疲労を受けることなく、サポートも、生きること自体も喜びになっていくでしょう」

(ライフスタイルチーム)

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宮島賢也(みやじま・けんや)

YSこころのクリニック院長、精神科医、精神保健指定医、産業医

防衛医大卒業後、研修医時代にうつ病の診断を受ける。紆余曲折を経て精神科医に。受診が終了しても再発する患者が多いことから、薬ではうつは治らないと感じて医者以外の方から学び、食事や考え方、コミュニケーションを変え、うつを克服する。「薬を使わない精神科医」と名乗り、成功哲学ベースの手法を発信。湯島清水坂クリニックで安保徹氏、福田稔氏の自律神経免疫療法で体の血行改善、温めの有効性を知り、生き方直しと一緒に提供して効果を実感。その後、YSメソッドに出会い、YSこころのクリニックでYSメソッドの治療を提供。単なるうつヌケだけでなく、本当の自分に出会い、愛と感謝と喜びの中に今日も生きる。著書に「薬を使わない精神科医の『うつ』が消えるノート」(青春出版社)、「自分の『うつ』を治した精神科医の方法」(河出書房新社)ほか多数。

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