“ドラマみたいな夫婦”はあちこちに…数千組の「夫婦の悩み」を見聞きした専門家が驚いた「夫婦の事件簿」2選
夫婦の数だけ夫婦の形がある――。数多くの夫婦の悩みを聞いてきた専門家が「これはちょっと驚いた」夫婦のお悩みエピソードを明かします。

「恋人・夫婦仲相談所」所長である私は、これまで何千組もの夫婦のお悩みを見聞きしてきましたが、痛感するのは「夫婦の数だけ夫婦の形がある」ということです。もちろん、多く見受けられるお悩みの傾向はあります。「子どもが欲しいのにセックスレス」「お金遣いが荒くて困っている」「浮気症で、何度も浮気を繰り返す」などなど…。
そんな中で、「これはちょっと驚いた」お悩みエピソードをご紹介します。
シラフで過ごしたことがない夫婦の危機!?
紗友里さん(38歳、仮名)は、夫の義徳さん(39歳、仮名)とマッチングアプリで知り合いました。お互いクラフトビール好きで、おいしいものを食べるのが大好き。デートは昼飲み可能のおいしいお店を探して、夜まではしご酒をするのが定番です。家に帰ってきたときにはベロベロで、酔ったまま営んで就寝。次の日が休日なら、また昼から飲みます。翌日は仕事なので、それぞれの家に帰宅。そんな“酒浸り”の日々を繰り返し、2人は結婚しました。
2人は一緒にいるとき、ほぼお酒を飲んでいます。ところが紗友里さんが妊娠し、状況が変化。妊娠中はもちろんお酒NGです。紗友里さんが大好きなお酒を飲めないので、いい機会だと義徳さんも付き合ってお酒を断つことにしました。つまり、2人が共にシラフの状態で過ごすことになったのです。すると、まったく会話が続かなくなりました。
おいしいものを食べようと外食しても、「おいしいね」「そうだね」「……」といった具合に会話が途切れる。仕事の話をしても、大筋だけ伝えてすぐに途絶える。テレビを見て笑い合うけれど、会話をしようとするとまったく盛り上がりません。クールな日々が続きました。
紗友里さんは、私にこう訴えたのです。
「お酒を飲んでいたときはあんなに会話が尽きなくて楽しかったのに、もしかして自分たちは相性が悪いのでしょうか。お酒にごまかされていただけなのではないかと思うんです。本当は、私は夫のことを好きでもないし、夫も私のことを好きではないのではないかと最近思い始めて……。
これから出産するのに、子どもを育てられるか不安です。離婚しようにも子どもがおなかにいるから、将来のことを考えるとできないし……本当にどうしたらいいのか分かりません」
悲惨なお悩みをたくさん聞いてきた私としては、かわいいエピソードだなと思わずほほ笑んでしまいましたが、紗友里さんにとっては子連れ離婚も考えるほどの深刻な悩みです。
妊娠でお酒が飲めない紗友里さんを気遣って、自分も大好きなお酒をやめるという行動自体が夫の愛情表現です。会話が続かないのは、今までとは違う状況にあるのだから当然です。不安になるのは妊娠期のホルモンバランスの崩れも大いに影響しています。家族が増える、つまり責任も増える。これまでのようにお酒に酔いしれる日々は軌道修正しなければ、と寂しくもあるでしょう。
無理に会話を続けようとするのではなく、そばに義徳さんがいてくれる安心感を受け止め、ほほ笑み合う時間を大切にすればいいとお伝えしました。オトナへの階段を一段上がるということです。「無言でも信頼し合っているので心地よい」環境に慣れるのです。
現在、紗友里さんは無事に出産し、幸せに過ごしています。

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