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自閉症の息子は「言葉が出ない」「おうむ返しばかり」…悩み続けた母を救った“息子の一言”

おうむ返しでもいい、心がこもっているから

 おうむや、九官鳥に声をかけると「こんにちは」と答えてくれます。でも、それは会話ではありません。「おはよう、今日の気分は?」とおうむに聞いても、「うん、元気だよ」とか「ちょっとだるいよ」とは返してくれません。

「こんにちは」と言われたら「こんにちは」と返す。「さようなら」には「さようなら」と返す。でも「行ってらっしゃい」と言われたら「行ってきます」、「お帰りなさい」と言われたら「ただいま」と言わなければならない日本語は、外国人にとっても、自閉症の子にとっても獲得が難しいのかもしれません。

 ただ、人間は、鳥とは違います。私が「行ってらっしゃい」と見送ると、息子は「行ってらっしゃい」と元気に手を振りながら玄関から出ていきます。おうむとの決定的な違いは、言葉はおうむ返しでも、心がこもっていることです。

 私の身近に、成人しても言葉がない子がいます。その子は自閉症ではありません。でも、その身振り手振り、表情でしっかりコミュニケーションが取れる子です。「これも言葉の一つなんだな」と感じています。

 言葉の発達は、親にとっては気になるところですが、単語を増やすことだけにスポットを当てないこと、「言葉を話したい」という動機が必要であること、そして、おうむ返しでも心があればそれでよいと思うこと、言葉以外にもコミュケーションの方法はいくらでもあること……それらを知っておくのも大切なことだと思います。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

【画像】「えっ…そうだったの…?」 これが「発達障害児」にみられることのある行動です(5つ)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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