自閉症の息子は「言葉が出ない」「おうむ返しばかり」…悩み続けた母を救った“息子の一言”
おうむ返しでもいい、心がこもっているから
おうむや、九官鳥に声をかけると「こんにちは」と答えてくれます。でも、それは会話ではありません。「おはよう、今日の気分は?」とおうむに聞いても、「うん、元気だよ」とか「ちょっとだるいよ」とは返してくれません。
「こんにちは」と言われたら「こんにちは」と返す。「さようなら」には「さようなら」と返す。でも「行ってらっしゃい」と言われたら「行ってきます」、「お帰りなさい」と言われたら「ただいま」と言わなければならない日本語は、外国人にとっても、自閉症の子にとっても獲得が難しいのかもしれません。
ただ、人間は、鳥とは違います。私が「行ってらっしゃい」と見送ると、息子は「行ってらっしゃい」と元気に手を振りながら玄関から出ていきます。おうむとの決定的な違いは、言葉はおうむ返しでも、心がこもっていることです。
私の身近に、成人しても言葉がない子がいます。その子は自閉症ではありません。でも、その身振り手振り、表情でしっかりコミュニケーションが取れる子です。「これも言葉の一つなんだな」と感じています。
言葉の発達は、親にとっては気になるところですが、単語を増やすことだけにスポットを当てないこと、「言葉を話したい」という動機が必要であること、そして、おうむ返しでも心があればそれでよいと思うこと、言葉以外にもコミュケーションの方法はいくらでもあること……それらを知っておくのも大切なことだと思います。
(子育て本著者・講演家 立石美津子)








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