「熱中症」だと思ったら「新型コロナ」だったケースも 見分けがつかないときはどう判断? 対処法を医師に聞いてみた
見分けがつかない場合はどう対処?
Q.では、新型コロナウイルス感染症の症状なのか、熱中症の症状なのか、見分けがつかない場合の具体的な対処法について、教えてください。
安藤さん「大切なのが、『発症のきっかけ』です。特に熱中症は『気温・湿度の高い場所』『水分を取りにくい状況』『風通しの悪い室内』などにいることにより、発症することが多いです。先述の熱中症診療ガイドラインには、『暑熱環境にいる、あるいはいた後の体調不良はすべて熱中症の可能性がある』と記載されています。
新型コロナウイルス感染症の場合も『密室環境』『感染者との接触』『流行地域への滞在』など、発症のきっかけの情報が有用ですが、『KP.3』の平均的な潜伏期間が3~4日程度なので、なかなか特定できない場合も多々あります。
そのため、『暑い環境で過ごした後、急に発症し、せきや喉の症状があまり目立たない』という病歴があれば熱中症を疑い、その他のケースは新型コロナウイルス感染症などの感染症を疑うというのが現実的な対応になります。
高齢者や基礎疾患をお持ちの人は、新型コロナウイルスへの感染には細心の注意を払う必要がありますが、基本的に『KP.3』は弱毒化が進んでいるため、健康な人が重症化することはあまりありません。
何より覚えておいていただきたいのは『熱中症は一刻を争う病気だ』ということです。熱中症は、適切な対応が取られない場合、その日のうちに死に至る可能性のある怖い病気です。『急激に悪くなる』という点では新型コロナウイルス感染症よりも熱中症の方が怖いのです。
もし新型コロナウイルス感染症か熱中症か、判断に迷うときは、まずは熱中症を疑って行動するようにしてください。もちろん、『免疫力が弱い人を感染リスクにさらしてしまう』という観点からは、決して新型コロナウイルス感染症を軽く見てはいけません。
熱中症を疑ったときに行うことは、脱水状態の確認です。脱水が強く疑われる代表的な初期症状は『めまい』『立ちくらみ』『意識が飛ぶような感覚』『集中力がなくなった』などです。
また、水分を補給しても口や唇の乾きが改善しなかったり、トイレの間隔が長くなったり、尿の色が濃くなったり、急に汗をかかなくなってしまったりなどの状態に陥った場合も、比較的分かりやすい脱水のサインです。『普段は塩辛く感じる経口補水液がおいしく感じる』というのも、脱水のときによくみられます。
こういった症状に加え、頭痛や吐き気といった体の循環が悪くなっている症状が出てくると、これは一歩進んだ状態といえます。
ただ、脱水はゆっくりと進行することもあり、自分で気付くのがなかなか難しい場合もあります。その場合、次の5つのポイントを確認してみましょう」
(1)舌
舌は通常、赤くてツヤツヤしていますが、脱水気味になると白っぽく、溝が目立つようになります。
(2)皮膚の張り
手を軽く握って手の甲を引っ張ってみてください。パッと離したときにすぐに戻れば良いのですが、三角形が3秒ぐらい残ってしまう状態は脱水の可能性があります。
(3)爪
爪はだいたいピンク色をしています。キュッとつまんでパッと離したときに3秒以内に色が戻れば良いのですが、白い色がずっと残っている状態の場合、脱水を疑う所見です。
(4)手のひら
手のひらは体の端にあり、循環が悪くなると冷たくなります。顔は熱くほてっているのに手のひらが冷たい場合、脱水を疑うサインです。
(5)脇の下
脇の下は通常、多少湿っている状態なので、そこが乾燥しているのは脱水を疑う所見です。感染対策として手袋を用意している人はそれを手に着用し、脇に挟んでください。引っ張ったときに抵抗なくスルッと抜けてしまったら脱水症の可能性があります。
脱水症になってから初めて行うと分かりにくいので、普段から舌や爪、脇の状態などを確認して比較できるようにしておくと良いでしょう。
(オトナンサー編集部)



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