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「親バカだと思われたくない」から? わが子の自己肯定感を下げる“親の謙遜”

子どもには謙遜の文化が理解できない

「スレンダーですね」「何か秘訣(ひけつ)はあるんですか」と言われて、実はエステに通っているのに、「しっかり栄養を取って、睡眠を取っているだけですよ」。

「お肌がきれいですね。何か秘訣はあるんですか」と聞かれて、美容皮膚科に行っているのに「特に何もしていませんよ。そんなにきれいじゃないですよ」。

 そんなふうに、自分のことを褒めてもらったときに、うそをついてしまう人もいます。努力を知られたくないという思いがあるのかもしれません。でも、相手からすれば「秘訣を聞きたい」と考えての言葉なので、ちゃんと真実を伝えた方が正直な人と思われますし、相手にとってもよいことなのではないでしょうか。

 相手の前でへりくだることについて、自分自身のことについてはまだよいのですが、わが子にそれを言うのはやめた方がいいと思います。なぜかというと、まだ人生経験の短い子どもには、その文化が理解できないからです。せっかく他人が褒めてくれたのに、一番褒めてほしい親から否定されたら悲しいですし、「本当に自分はダメな人間だ」と思ってしまうかもしれないからです。

 他人の親に、「◯◯くんは本当に落ち着きがないわね、だらしがないわよね」とは絶対に言いません。他人の子どもだからです。でも、自分の子どもだって、自分とは違う一人の人間です。もっと気持ちを大切にしてあげましょう。

 日本、アメリカ、中国、韓国の高校生を対象に行われた「高校生の心と体の健康に関する意識調査」(国立青少年教育振興機構、2017年度)によると、「自己評価」について、「私は価値のある人間だと思う」と回答した割合は、日本が44.9%だったのに対し、アメリカが83.8%、中国が80.2%、韓国が83.7%となりました。何だか悲しい結果ですね。日本の子どもの「自己肯定感の低さ」が浮き彫りとなった形です。謙遜の文化を子どもに使うのが、その一因かもしれません。

「自分自身は価値がある」「自分が好き」でいられることは、困難を切り開いていくための大きな力、財産になります。他人が評価してくれているのに、それを親が否定するなんて、もったいないことはしないようにした方がよいのではないでしょうか。

 皆さんはどうお感じになりますか?

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

【画像】「えっ…実は偏食も…?」 これが「発達障害児」にみられることのある行動です(5つ)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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