オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

【実録】「一人の時間が欲しい人」と「常にべったりしたい人」の結婚生活はどうなる? 30代夫婦が迎えた“予想外の結末”

「四六時中一緒にいたい」人と、「一人で過ごす時間が欲しい」人。そんな2人が夫婦になったらどんな結婚生活になるのか、あなたは想像できますか。30代夫婦の実例を紹介します。

夫婦で「四六時中一緒にいたい」? それとも…
夫婦で「四六時中一緒にいたい」? それとも…

 付き合いたての2人が「四六時中一緒にいたい」と望み、それぞれの家に帰るときには名残惜しくて離れられない、そして離れているときのLINEは30分おき――。そんなロマンチックな話はよく聞きます。

「結婚したらそんなこと全くなくなるよ」と既婚者たちは笑い飛ばしますが、結婚後も「四六時中一緒にいたい」と望む人もいるのです。参考にするか、反面教師にするか。“100歳までラブラブ夫婦”を目指すのであれば参考にしてもいいでしょう。なんせ、べったり一緒にいるのは、60代以降の40年なのですから。

一人の時間が欲しいだけだったのに

 美衣子さん(35歳、仮名)は、出会って半年で幸弘さん(37歳、同)と結婚。幸弘さんからの猛アタックでお付き合いを始めましたが、彼の気配り上手なところにひかれていきました。

 週末は必ずどちらかの家で過ごし、月曜日の朝はどちらかの家から出社。駅のホームで別れを惜しんで“チョイハグ”をしたそうなので、周りは冷ややかな目で見ていたことでしょう。恋する2人には関係ありません。

 そんな2人が結婚を決めたのは自然なことでした。朝は一緒に出社し、美衣子さんはほぼ毎日残業で、家に着くのは午後8時半ごろ。幸弘さんはその時間に合わせて帰り、一緒に夕食を作る。もちろん、お風呂も一緒。会社にいる時間以外は、べったり夫婦です。

 最初の数カ月は、それで2人とも満足でしたが、徐々に美衣子さんがストレスを感じるようになったそうです。「一人でゆっくりと風呂に入りたい」「お風呂の後はゆっくりパックとかしたい」…夫には言えませんでしたが。そして、とうとうイライラが“噴火”します。

 2人は「帰る直前には必ず連絡する」という約束をしていました。美衣子さんはある日、仕事を猛ダッシュで終えて、午後7時前に「今から帰るよ」という連絡をしてから帰路につきます。もちろん夫はまだ帰っていません。これで、一人でゆっくりお風呂に入れると安心しました。

 湯船につかってホッとした途端、ガラッとお風呂場のドアが開きます。

「よかったー! 間に合った! LINEしたのに返事がないから心配したよ。一緒に入れるね」

 その言葉を聞いた途端、美衣子さんが“爆発”しました。

「何で帰ってきたの? たまには一人でお風呂に入らせてよ」

 驚いた夫は訳が分からず、「僕、何か悪いことした?」と聞きますが、美衣子さんは止まらず、「とにかく出てってよ」と叫ぶばかり…。

 その後、美衣子さんは一人でゆっくりとお風呂に入って落ち着きます。そして謝りました。「これからは、一日のうちで何時間か一人の時間をつくりたい」と正直に話しました。

 夫は「何でそんな悲しいこと言うの? ずっと一緒にいたいから結婚したんだよね? 会社にいるときは別々じゃない。家にいるときだけでも一緒にいないと、結婚した意味がないよ」

 2人の話し合いは平行線でした。

「一緒にいたいから結婚したけれど、ずっと一緒に過ごしてみたら、私には一人の時間も必要だと分かったの。受け入れてもらえないなら別居してみたい」。そう美衣子さんが告げると、夫は受け入れざるを得ませんでした。

 その日から少しずつ、幸弘さんに変化が。帰りの連絡をしなかったり、遅くまで飲んできたりする日が増えてきたのです。「その分、自分一人の時間が増えるからいいや」と、最初は美衣子さんも考えていました。

 ところがある日、深夜になっても連絡がなく、帰ってきません。電話をしても出ず、結局朝帰り。美衣子さんも知る男友達に「朝まで付き合わされた」という話でした。その日は美衣子さんも信じましたが、それ以降も何度か同じようなことが起こりました。

 その後、美衣子さんは共通の友人から、幸弘さんの浮気を知らされます。夫を問い詰めると、「一人の時間がなければ別居したいって言ったよね。僕への気持ちはその程度なんだと思ったよ。そう思わせた美衣子が悪い」と開き直り。関係修復はできるかどうかと、私の運営する恋人・夫婦仲相談所へ相談に来られたのでした。

遠慮も我慢も“境界線”を超えたら、ズバリ言ってよし

 お互いのことを知っていると思っても、実際に一緒に暮らし始めたらちょっとズレていることは多々あるもの。遠慮して黙っていたり、受け入れようと我慢したりするカップルが陥るのが、“沸点”到達による感情の爆発です。美衣子さんの例はこれに当てはまります。

「これ以上は無理」と感じる境界線は、誰しも持っています。「私の(僕の)“無理ライン”はここ」と、言葉で相手に伝えなければ理解できません。感情や負の思いが積もり積もって爆発してしまう前に、お互いに“無理ライン”を可視化しておくのが、結婚生活を継続させる秘訣(ひけつ)ではないでしょうか。

(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

1 2

三松真由美(みまつ・まゆみ)

恋人・夫婦仲相談所 所長(すずね所長)・執筆家

夫婦仲・恋仲に悩む女性会員1万3000名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス・ED・女性の性機能に詳しく、性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。20代若者サークルも運営し、未婚世代への結婚アドバイスも好評を呼ぶ。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍中。業界最大手「ごっこ倶楽部」のセックスレスをテーマにしたショートドラマを監修し、5カ月で1億回再生に到達。著書は「夫婦の『幸せ循環』を呼ぶ秘訣」(講談社)「モンスターワイフ」(同)「40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣」(扶桑社)「堂々再婚」(wave出版)など多数。コミック「『君とはもうできない』と言われまして」(KADOKAWA)の監修も手掛ける。恋人・夫婦仲相談所(http://fufunaka.com/)、公式note(https://note.com/suzune_16)、オトナのお悩み保健室(https://otona-hokenshitsu.jp/)。LINE登録で「夫婦仲チェックシート」を無料プレゼント(https://fufunaka.com/archives/lp/line)。

コメント