「喉の渇き」が治まらない 水分摂取してもダメ…どんな病気の可能性? 医師に聞く
水分を摂取しても喉の渇きが治まらない場合、どのような病気の可能性があるのでしょうか。医師に聞きました。

喉が渇いたときに、ミネラルウオーターや麦茶などの飲み物を摂取する人は多いと思います。ただ、水分を摂取しても、喉の渇きがなかなか治まらない人がいるようです。その場合、どのような病気の可能性があるのでしょうか。メンズクリニック「Gran Clinic」(金沢市)の院長・小倉慶雄さんに聞きました。
「糖尿病」「腎臓の疾患」などの可能性
Q.水分を摂取しても喉の渇きが治まらない人がいるようですが、なぜなのでしょうか。病気の可能性も含めて、教えてください。
小倉さん「水分を摂取しても喉の渇きが治まらない場合、次の3つの原因が考えられます」
【糖尿病】
高血糖により、体内の血液中の糖分濃度が高くなると腎臓の機能に影響を与え、尿の量が増えるため、喉の渇きの症状が現れることがあります。
【シェーグレン症候群】
自己免疫疾患で、唾液腺や涙腺の機能が低下することで喉の渇きが起きることがあります。
【腎臓の疾患】
腎臓の機能障害により、血液中のナトリウム濃度が非常に高い状態になる「高ナトリウム血症」に陥った場合、体内の水分量が大幅に減少するため、喉の渇きが生じることがあります。
Q.では、喉の渇きが治まらない状態を放置した場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。喉の渇きを改善するにはどうしたらよいのでしょうか。
小倉さん「糖尿病による高血糖を放置した場合、神経障害や網膜症などの症状が悪化する可能性があります。高ナトリウム血症を放置すると脱水症状が悪化し、体の機能に悪影響を及ぼす可能性があります。また、錯乱や筋肉の引きつり、けいれん発作を起こすことがあります。
喉の渇きを改善するには、渇きの原因となっている病気の治療を行う必要があります。例えば、糖尿病の場合、適切な薬物療法のほか、食事療法や運動療法が必要です。喉の渇きの原因が分からない場合は、医療機関の受診をお勧めします」
Q.喉の渇きが治まらないときに飲んだ方がよい物、飲んではいけない物はありますか。
小倉さん「喉が渇いたときは水や無糖の飲み物のほか、経口補水液のような水分・電解質補給飲料を選ぶのが重要です。一方、糖分が多く含まれる飲み物やカフェインが多く含まれる飲み物は排尿を促進し、体が水分不足に陥るため、摂取を避けるべきです」
喉の渇きが治まらない場合、主に糖尿病や腎臓系の病気の可能性が考えられるということです。症状が気になる場合は、医療機関を受診するとよいかもしれません。
(オトナンサー編集部)
コメント