オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

すしに「ガリ」…栄養はある? ない? 知っておきたい食べ過ぎの“リスク”と意外な“役割”は?

ガリの栄養や、1日の摂取目安量について、金沢駅前内科・糖尿病クリニック(金沢市)院長の小倉慶雄さんに聞きました。

すしに「ガリ」いる? いらない?
すしに「ガリ」いる? いらない?

 すしを食べる際に、一緒にガリを食べる人も多いのではないでしょうか。実際にSNSでは「すし屋行ったらガリを1人で10人分くらい食べてる」「ガリが好き過ぎてすし屋に行ってるところある」「すしにはガリですね〜」「回転ずし行ってもガリばっか食べてすしは2、3皿しか食べない」といった声が多く見られます。

 そこでガリに含まれている栄養素や、1日の摂取目安量などについて、金沢駅前内科・糖尿病クリニック(金沢市)院長の小倉慶雄さんに聞きました。

口中リセットとしての役割も

Q.「ガリ」に含まれている主な栄養素について、教えてください。

小倉さん「『ガリ』は、100グラム当たり約44キロカロリーです。脂質はごく少なく、炭水化物は約10.7グラム、そのうち食物繊維は約1.8グラムです。カルシウム、マグネシウム、カリウムを少量ずつ含む程度で、ビタミンCはわずかしか入っていません。

また、ショウガに含まれているジンゲロールとショウガオールは、消化管運動の促進や悪心の軽減に関与するという報告があります。ガリは少量でも口直しとして体感的にすっきりします。

ただし、味がマイルドでも塩分は入っており、100グラム当たりの食塩相当量は約2.0グラムです。そのため、食べ過ぎると塩分過多につながります」

Q.すしと一緒に「ガリ」を食べると栄養面ではどういった効果があるのでしょうか。

小倉さん「栄養面では、次のような効果があります」

(1)口中リセットとしての役割(官能・行動面)
すしはネタごとの香りや脂質の個性が強く、味覚リセットは体験価値を左右します。ガリの酸味と辛みは唾液の分泌を促し、口の中に残った魚介類の脂やにおいを洗い流すように感じられます。結果として、次の一貫の風味がクリアに立ち上がり、満足度が高まります。

(2)胃のむかつき、膨満感の軽減(エビデンスに基づく示唆)
胃カメラ検査を行っても炎症などの異常が認められないにもかかわらず、胃やみぞおちの痛み、胃もたれ、胃の不快感、膨満感などの不快な症状が続く病気を「機能性ディスペプシア」といいます。ショウガは、こうした機能性ディスペプシアの症状を緩和する働きがあるとされています。

また、妊娠初期や周術期、化学療法時の悪心に対しても、メタ解析で有効性が報告されています。すしに添えるガリは量がわずかなため、医薬品的な効果を期待するものではありませんが、食後の不快感が軽くなる体感は合理的に説明できます。辛みが強過ぎる場合は逆に胸焼けの原因になり得るので、個人の好みや体質などに合わせて「少量ずつ」が原則です。

(3)食後血糖の観点(酢と食べ方の工夫)
酢飯には食酢(酢酸)が使われ、ガリも甘酢で味付けされています。食酢は、でんぷん質の食事と一緒、あるいは食前に取ると、食後の血糖値の上昇を抑え、満腹感を高めるという報告があります。ガリ自体は砂糖も含むため、単独での効果は控えめですが、「白米を先に食べない」「ネタや海藻類→すし→ガリの順番に食べる」という方法を実践すれば、食後の血糖値の上昇抑制に寄与する可能性があります。糖尿病の人は、食べる順番とシャリの量を優先して調整し、ガリはあくまで補助的に活用するのが現実的です。

(4)抗菌・保存性に関する知見(食品科学の範囲)
酢酸には抗菌作用があり、主に生鮮魚介の保存性向上のために利用されています。また、ショウガの抽出物にも抗菌作用が報告されています。ただし、これらは食品科学、基礎研究の領域が中心で、「ガリを食べれば生魚の食中毒を防げる」という臨床的な証明はありません。そのため、信頼できる店舗で、適切な衛生管理のもと提供されたすしを選ぶのがよいでしょう。

【画像】「えっ! 血糖値にも効果あり!?」 「ガリ」を一緒に食べる《意外なメリット》4つ!

画像ギャラリー

1 2

小倉慶雄(おぐら・よしお)

医師(Gran Clinic院長)

金沢医科大学医学部医学科卒業。同大学病院の糖尿病・内分泌内科の臨床医を経験し、医学研究科博士課程修了。「リサーチマインドを持った診療」をモットーにし、酸化ストレス・サーチュイン遺伝子を中心とするアンチエイジングに関与する研究に従事。「すべての男性たちに、人生後半戦の演出家を。」をコンセプトに、2023年6月、JR金沢駅前にメンズヘルスクリニック「Gran Clinic」(https://www.gran-clinic.jp/)を開院。

小倉慶雄(おぐら・よしお) 関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

健康・ライフ 最新記事

健康の記事もっと見る

ライフの記事もっと見る

コメント