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しっかり栄養補給! ライフラインが止まっても簡単に作れる「非常時レシピ」

大阪北部地震は、日本が災害大国であることを改めて認識させました。ここでは、災害などでガスや電気が止まっても作れる「非常時レシピ」を紹介します。いずれも、優先的に摂取すべき栄養を考慮したメニューです。

ガスなしで作れる「サンマのかば焼き丼」
ガスなしで作れる「サンマのかば焼き丼」

 6月18日、大阪府北部で最大震度6弱の強い地震が発生しました。地震発生当日、震源地付近の一部地域では電気や水道などのインフラが停止。ガスは復旧に時間がかかり、約1週間後に供給が再開されました。これを受けて、SNS上では「ガスのありがたみを感じますね」「料理ができないと栄養が心配」「非常時でも作れるレシピが知りたい」など、さまざまな声が上がっています。

 ガスや電気の使用が制限された状況下でも簡単に作ることができ、必要な栄養素を補えるレシピとはどのようなものでしょうか。オトナンサー編集部では、管理栄養士の川村郁子さんに聞きました。災害時に限らず、忙しい時にもありがたい“時短レシピ”です。

ガスを使わずに作れるレシピ

■サンマのかば焼き丼

【材料】(1人分)

・サンマのかば焼き缶 1缶
・ご飯(レトルト可) 1人前
・マヨネーズ(お好み)
・刻みのり(同)
・すりごま(同)

【作り方】

1.ご飯を電子レンジで温める。
2.サンマのかば焼き缶を開け、ご飯に盛り付ける。
3.上に刻みのり、すりゴマ、マヨネーズ(あれば)をトッピングする。

「ガスコンロが使用できない場合、電子レンジでの加熱調理がメインとなりますが、今回は、ご飯を温める際にのみ使用しています。サンマとご飯だけでは食物繊維が不足するため、刻みのりとすりごまをプラスしましょう。

卵やタマネギなどが手に入る場合は、ほぐした卵にタマネギ(薄切り)を入れ、サンマのかば焼き缶を加えて電子レンジで温めるとサンマの卵とじ丼になります。この時、卵に酒(みりん可)、少量のしょう油を入れると風味がアップします。普段の食事では、千切りのキャベツを加えると栄養バランスが整います」(川村さん)

電気を使わずに作れるレシピ

水不要のトマトスープパスタ
水不要のトマトスープパスタ

■水不要のトマトスープパスタ

【材料】(2人分)

・パスタ(ショートパスタ、もしくは半分に折って使用) 160~200グラム
・トマト缶(トマトジュース可) 1個
・ツナ缶 1個
・乾燥パセリ 少々
・コンソメ 1個
・塩、コショウ(お好み)
・オリーブオイル(あれば)

【作り方】

1.トマト缶を鍋に入れ、木べらでよくつぶしながら加熱する。
2.煮立ってきたらパスタを加え、さらに加熱する。ツナとコンソメを加え、塩とコショウで味を整える。パスタがゆで上がったら火を止める(ゆで時間はパスタの表記を目安に)。
3.オリーブオイル、乾燥パセリをトッピングする。

「緊急時、水を使わずに一皿で最低限の栄養素を確保できるレシピです。タマネギ、ニンジン、ジャガイモなどが手に入る場合はたくさん加えてもよいでしょう。味付けはコンソメに限らず、鶏ガラの顆粒(かりゅう)だし、和風だし、めんつゆなどでも応用可能です。ご飯が手に入る場合は、パスタの代わりに加えてトマトリゾットにもできます。

電気が使用できず、ガスコンロのみで調理する場合、常温保存のきく食材のみで調理する必要があります。その中で、栄養価を確保するための優先順位は、まずはエネルギー源となる炭水化物、タンパク質、脂質の三大栄養素、次にビタミンやミネラル、食物繊維などの微量栄養素です。これらの栄養を補えるようなメニューが理想的です。

避難生活が長引いた場合は、野菜不足によるビタミン不足(特にビタミンC)が懸念されます。トマト缶やトマトジュースはビタミンCが確保できる上、常温保存しやすい食材です。これらを使ったメニューを組み込んでビタミンを補いましょう」

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川村郁子(かわむら・いくこ)

管理栄養士、元気ごはん研究家

福岡県出身。自身が太っていたことからダイエットに興味を持ち管理栄養士の道へ。病院管理栄養士を経験した後、2012年に独立。服部栄養専門学校講師、発酵食の研究、飲食店のメニュー監修、ラジオパーソナリティーなどを行いながら、忙しい現代人向けの「カンタンにできる元気ご飯」を提案している。メディアには、自身の名前を一部使った“食育子(しょくいくこ)”として出演。公式ブログ(http://shokuikuko.net/)。

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