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生産量が過去最高に! 「サバ缶」のメリット・種類ごとの特徴・効果的な食べ方

昨年、生産量が過去最高を記録するなど、お財布にも体にもうれしい食材として人気の「サバ缶」。その種類ごとの特徴や食べ方について、栄養士に聞きました。

水煮、みそ煮、味付きと種類も豊富な「サバ缶」、どれを選ぶべき?
水煮、みそ煮、味付きと種類も豊富な「サバ缶」、どれを選ぶべき?

 近年「サバ缶」が人気です。他の魚に比べて量や価格が安定している点や、栄養価の高さが注目され、2017年には、生産量がツナ缶を逆転し過去最高を記録しました(公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会調べ)。サバ缶といえば水煮とみそ煮がポピュラーですが、最近ではオイル漬けや、しょうゆやバジルの味付きなど種類も豊富に。SNS上では「栄養価が高いのはどれだろう」「塩分が気になる」「ダイエット効果が高い食べ方は?」などの声が上がっています。

 オトナンサー編集部では、サバ缶の栄養価や、よりおいしく健康的に食べる方法について、管理栄養士の川村郁子さんに聞きました。

生より缶詰の方がカルシウム豊富

Q.サバにはどんな栄養がありますか。

川村さん「サバには、筋肉や皮膚の原材料となるタンパク質、代謝に必要なビタミンB群、必須脂肪酸であるDHAやEPAが含まれています。DHAやEPAは現代人が不足しやすい脂肪酸の一つで、コレステロールや中性脂肪を低下させる効果があると言われています」

 川村さんによると、サバ缶が未加工のサバに比べて優れている点は次の通りです。

【すぐに食べられる】

缶詰の良い点は何といっても、開けたらすぐにそのまま食べられること。しっかりと味付けしてあるのでそのまま食べてもよいですし、ご飯のおかずとしても合います。手軽に栄養が取れるので、忙しい時にも便利です。

【骨まで食べられる】

未加工のサバは骨を取りながら食べる必要がありますが、サバ缶は骨まで柔らかく調理してあるので、骨が苦手な方も食べやすいです。また、骨を丸ごと食べられるのでカルシウムも摂取することができます。例えば、生のサバ200グラムに含まれるカルシウムは約12ミリグラムですが、サバ水煮缶200グラム(1缶)には約520ミリグラムも含まれています。骨まで食べることで多くのカルシウムを摂取できるのです。

【長期保存ができる】

生のサバは非常に鮮度が落ちやすい食材の一つですが、サバ缶は、開封しなければ賞味期限までおいしく食べることができます。保存食としても便利です。

 一方、サバ缶には以下のような注意点もあります。

【塩分が高い】

サバ缶は加工調理してあるので、未加工のサバに比べて塩分含有量が多いです。例えば、生のサバ200グラムには0.6グラムの食塩相当量が含まれていますが、水煮缶200グラム(1缶)の食塩相当量は1.8グラムで、約3倍です。

【一部のビタミン類が減少する】

水溶性のビタミンであるビタミンB群の一部は、缶詰にすることによって減少してしまいます。例えば、ビタミンB6は生のサバ200グラムに約1.18ミリグラム含まれていますが、サバ水煮缶200グラム(1缶)は約0.72ミリグラムです。

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川村郁子(かわむら・いくこ)

管理栄養士、元気ごはん研究家

福岡県出身。自身が太っていたことからダイエットに興味を持ち管理栄養士の道へ。病院管理栄養士を経験した後、2012年に独立。服部栄養専門学校講師、発酵食の研究、飲食店のメニュー監修、ラジオパーソナリティーなどを行いながら、忙しい現代人向けの「カンタンにできる元気ご飯」を提案している。メディアには、自身の名前を一部使った“食育子(しょくいくこ)”として出演。公式ブログ(http://shokuikuko.net/)。

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