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ひび割れ、出血…「乾燥唇」 舌でなめちゃダメ? 医師が正しい予防や対処法を解説

寒さは和らいできたものの、まだまだ乾燥する時期が続いています。乾燥が続くと、唇が荒れたり、皮むけをするものです。正しい予防や対処法を医師に聞きました。

唇が乾燥して荒れると…
唇が乾燥して荒れると…

 厳しい寒さが和らぎ、春の訪れを感じる昨今。乾燥などで唇の荒れが気になったりしませんか? 悪化すると皮むけやひび割れ、出血することもあります。唇が乾燥してしまうとつい、舌でなめて湿らそうとしてしまいますが、「乾燥を防ぐには逆効果」という情報もあります。乾燥から唇をどう守るべきか、アヴェニュー表参道クリニックの佐藤卓士医師(皮膚科・形成外科)に聞きました。

唇をなめると荒れを助長

 佐藤さんは、唇が荒れる原因について「唇は皮膚と粘膜の境目にあり、他の部位の皮膚とは異なった構造をしています」といい、「唇の皮膚には皮脂腺や汗腺がほぼないため、皮脂膜ができず、水分が蒸発しやすくなっています。さらに、角質層が非常に薄くバリアー機能が弱いため、外的ストレスを受けやすいという特徴があります。そのため、他の部位の皮膚より荒れやすい」と説明。

 特に唇が荒れやすいのが冬。これについては「冬は外気が冷たく湿度も低いので、唇が外気に触れると温度が下がって血行が悪くなり、水分が蒸発しやすく乾燥して、特に荒れやすくなります」と解説してくれました。

 唇の荒れの治りについては、「唇のターンオーバー(角層が入れ替わる期間)は1週間程度と他の部位の皮膚よりも短いので、もし荒れてしまっても、きちんとケアをすれば早く治ります」と教えてくれました。

 唇の乾燥が気になった時、「なめて湿らせる」行為は、よくないのでしょうか。「唇の乾燥が気になると、唇を潤わせるためになめて湿らせたくなる人もいるでしょう。一時的には潤ったようにみえますが、唾液が乾くのに伴って唇の水分も蒸発するので、かえって乾燥してしまいます。また、唾液の中に含まれる消化酵素が刺激となり、角質のバリアーが破壊され、荒れを助長」するということです。

 唇が荒れていると、唇をかんだり、巻き込んでしまう行為をついやりたくなってしまうもの。これについては「唇にとって刺激となり、外的ストレスになるため、かえって唇荒れを助長することになります」とコメント。

 唇の皮を、手でむいたり、歯でかみ切ったりする人もいますが、「めくれかけた皮を無理に剥がすと唇を傷めます。新しい角層ができる前にむいてしまうと、角層がさらに薄くなって炎症を起こし、口唇炎や口角炎に進行したり、亀裂を生じて出血したりすることもあります」といい、めくれかけた皮を上手に取るためには「リップクリームやワセリンなどで潤わせて、そのままにして自然に取れるのを待つべきです」と教えてくれました。

 そもそも、唇の乾燥を防ぐ方法はないのでしょうか。「乾燥を防ぐには、まずはリップクリームやワセリンなどを塗って常に唇を保護し、水分が蒸発しないようにすることです。また、冷たく湿気の少ない外気に直接、唇が触れないようにしましょう。外出時にはマスクの着用がお勧めです。暖房が効き過ぎた部屋は湿度が特に低くなっています。乾燥した唇にはよくないので加湿を心掛けましょう」ということです。

唇が荒れた時は…

 唇の乾燥に保湿することの大切さは分かりました。しかし、荒れてしまった時はどうすればいいのでしょうか。佐藤さんは「かさつきや乾燥など軽症の場合、リップクリームやワセリンを塗って保護することで改善します。皮むけの症状が出たら、皮をむいたり、こすったりするなどの刺激を与えないようにしてください」と話し、アドバイスとして「唇荒れがさらに悪化してひび割れや出血を伴う場合は、唇荒れに効能がある市販薬を使用し、ワセリンを塗り増しして保護してください」とコメント。

 続けて、「セルフケアを行っても症状が一向に改善せず、皮膚の発疹やただれ、出血、亀裂などの症状があり、痛みを伴う場合は、皮膚科の受診をお勧めします。市販薬を使用して1週間くらいしても改善が見られなければ、炎症が進行しているか、乾燥以外の他の原因も考えられるため、医師の診察を受けましょう」と話してくれました。

(オトナンサー編集部)

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佐藤卓士(さとう・たかし)

医師(皮膚科・形成外科)・医学博士

アヴェニュー表参道クリニック院長。京都大学農学部卒業。九州大学医学部卒業。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽(けんさん)を積み、現在に至る。日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会所属。アヴェニュー表参道クリニック(https://www.a6-clinic.com)。

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