皮膚がんの可能性も? 「よいほくろ」と「悪いほくろ」を見分ける4つのポイント、皮膚科医が解説
顔や体の至るところにできる「ほくろ」には、「いいほくろ」と「悪いほくろ」が存在するといい、「悪いほくろ」には病気の可能性も…。見分け方を皮膚科医に聞きました。
いつの間にか、顔や体の至るところに出現している「ほくろ」。普段、ほくろの存在をあまり気にしていない人もいると思いますが、ほくろには、特に大きな問題のない「よいほくろ」と、病気の可能性が疑われる「悪いほくろ」があるようです。
「よいほくろ」と「悪いほくろ」はどう見分けたらよいのでしょうか。アヴェニュー表参道クリニックの佐藤卓士院長(皮膚科・形成外科)に聞きました。
「いびつな形」のほくろは要注意
Q.そもそも、「ほくろ」とは何でしょうか。
佐藤さん「ほくろとは、メラニン色素を作り出す『母斑細胞』という細胞が増殖してできる、良性の皮膚腫瘍(できもの)です。原因として紫外線、摩擦や圧迫、ストレス、疲労、生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの崩れなどが挙げられますが、原因不明なものも多いです。これらの刺激によって母斑細胞が増殖すると、ほくろができます。
ほくろは、茶色から黒色の、円形もしくは楕円(だえん)形のものが多く、サイズは直径1ミリ程度のものから6ミリ近いものまでさまざまです。体中どこにでもできますが、顔や腕、足など多くの刺激を受ける部位はできやすくなります。
生まれつきのものもありますが、後天的なものは乳幼児から高齢者まで、どの年代でも出てきます。特にできやすい年齢があるわけではないのですが、一度できたほくろは消えないので、年齢を重ねるごとに、ほくろの数は増えていきます」
Q.ほくろと「シミ」「そばかす」の違いとは。
佐藤さん「母斑細胞が増殖した状態であるほくろに対して、シミやそばかすはメラニン色素が皮膚に沈着した状態です。どちらもメラニン色素によって黒っぽく見えますが、ほくろはメラニン色素の沈着のみならず、母斑細胞が増殖した状態なので、シミよりも色が濃く、盛り上がる場合もあります。シミやそばかすは色素のみなので、ほくろほど濃くなく、盛り上がることもありません。
ちなみに、シミともそばかすとも異なる、赤いほくろのようなものが出る人もいますが、これは『老人性血管腫』といって、皮膚の毛細血管の組織が増殖した良性の皮膚腫瘍です」
Q.特に大きな問題のない「よいほくろ」、何らかの異常・病気などが考えられる「悪いほくろ」の見分け方を教えてください。
佐藤さん「皮膚がんにはさまざまな種類がありますが、ほくろと間違えやすいのは『悪性黒色腫(メラノーマ)』という皮膚がんです。悪性黒色腫を疑うポイントは次の4つです。これらのうち、2つ以上当てはまると『悪いほくろ』の可能性があります。1つ以下なら『よいほくろ』と考えてよいでしょう」
(1)形:円形や楕円形ではなく、いびつな形をしている
(2)境目:輪郭が曖昧で、ギザギザ/ぼんやりしている
(3)色:均一ではなく、むらがある
(4)大きさ:直径が6ミリ以上ある
Q.「よいほくろ」が「悪いほくろ」に変化する可能性もあるのでしょうか。
佐藤さん「可能性は非常に低いですが、全くないとは言い切れません。ほくろの細胞である母斑細胞が悪性化すると悪性黒色腫になりますが、その原因が分かっていないためです」
Q.もし「悪いほくろ」を見つけた場合、どうすればよいですか。
佐藤さん「先述の症状があるようなら、皮膚科を受診しましょう。『よいほくろ』の場合は放置してもよいのですが、『悪いほくろ』の場合は治療が必要です。特に、悪性黒色腫は他の皮膚がんよりも転移しやすいので、早期の治療が重要です。専門医に診てもらいましょう」
(オトナンサー編集部)
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