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遅い謝罪、広報の言動…アメフト問題における日大の対応を危機管理専門家はどう見るか

アメフトの試合での反則行為を巡り、謝罪の遅れや記者会見での言動など、日本大学の対応に疑問の声が上がっています。危機管理の専門家に話を聞きました。

一番大事なのはスピード

試合後、選手が呼び出しを受けたという日大三軒茶屋キャンパス
試合後、選手が呼び出しを受けたという日大三軒茶屋キャンパス

 日本大学と関西学院大学のアメリカンフットボールの試合における反則行為を巡り、謝罪の遅れや記者会見での言動など、日大の一連の対応に疑問の声が上がっています。

 問題の試合は5月6日に東京で行われました。日大の選手が、ボールを投げた後に力を抜いていた関学大のクオーターバックの選手に背後からタックルし、反則となりました。関学大の選手は全治3週間のけが。日大の選手はその後も反則を繰り返し、退場処分となりましたが、一連の反則行為は日大の内田正人監督(当時)らの指示ではなかったか、との疑いが出ています(内田氏らは否定)。

 日大アメフト部は5月10日、部のホームページに「混乱を招いた」ことへの謝罪文を掲載しましたが、関学側に直接謝罪したのは19日。それも、関学側からの抗議文を受け取った後でした。内田氏らが記者会見で事情を説明したのは、さらに遅れ、5月23日のことでした。反則行為をした日大の選手はその前日、日本記者クラブで記者会見を開き、謝罪と事情説明をしました。

 今回の日大の対応について、企業の不祥事や欠陥商品への対応など2000件以上の危機管理コンサルティングを手掛けてきた「田中危機管理広報事務所」(東京)の田中正博社長に聞きました。

Q.日大の危機管理を見ての感想を。

田中さん「不祥事があった時、一番大事なのはスピード。日大の対応は、スピードが全く欠落しています。今回、選手個人が先に記者会見をしました。遅い対応だと、先に情報が伝わっているので、何を説明してもインパクトが弱くなります。

次に、記者会見では言い訳と弁解をしてはいけません。詳しい事情が分からない状態で会見をすることもあるので、誠意ある対応と、申し訳ないという気持ちで潔くおわびをすることが大事です。そして、責任は管理監督者、今回の場合は内田氏にあるので、因果関係は別として、まず潔くおわびをしないといけません」

Q.関学側への直接の謝罪も遅かったです。しかも、相手からの抗議の後でした。

田中さん「もし不問に付されるなら、先送りしようという気持ちがあったのではないでしょうか」

Q.選手への事情聴取の前に「監督の指示はなかった」趣旨の回答書を関学側へ出しました。

田中さん「『俺は言っていない』という自分の方針だけが決まっていたのではないでしょうか」

Q.内田氏の取材対応や記者会見にも時間がかかりました。

田中さん「遅いということにつきますが、日大はマンモス大学なので、組織にはかるということがあったのかもしれません」

Q.23日の記者会見では、広報担当者が強引に会見を打ち切ろうとしました。

田中さん「あれはひどい。司会者がやってはいけないこととして、歴史に残るでしょう。記者からの質問は、質問がある以上、受けないといけない。求める答えが出ないから記者も同じ質問をしているんです。『質問がある限り答えます』というトップもいます」

Q.記者から「あなたの発言で日大のブランドが落ちてしまうかもしれない」と指摘され、司会者は「落ちません」と即答しました。

田中さん「(ブランドは)落ちます」

Q.「この会見はみんな見てますよ」と記者から言われて「見ていても見ていなくてもいい」とも答えました。

田中さん「売り言葉に買い言葉だったのでしょうが、組織の代表として、メディアを通じて社会に説明するという趣旨を忘れていますね。記者と一対一だと思ってしまったのでしょう。広報の役割を理解していない。強引に仕切ることがミッションだと勘違いしています」

Q.今後、日大の善後策としては何が考えられますか。

田中さん「『泣いて馬謖(ばしょく)を斬(き)る』ですね。日大のトップ、学長が会見に出てきて、けじめをつける。内田氏は監督を辞めたということですが、一時のことかもしれません。最高責任者が出てきて、けじめをつけることを期待しています」

(報道チーム)

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