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SHELLYの第3子出産で話題! 「自宅出産」メリットとデメリットは? 費用、条件…産婦人科医に聞いた

「昔は主流だった」「リスクが高いのでは」と賛否が分かれる「自宅出産」。どんなメリットやデメリットがあるのか、気になる費用や条件は……産婦人科医に聞いてみました。

賛否が分かれる「自宅出産」…費用や条件は?
賛否が分かれる「自宅出産」…費用や条件は?

 今年11月、第3子となる女児を自宅で出産したことを発表したタレントのSHELLYさん。自身のインスタグラムで「初めての自宅出産ということもあり、私もパートナーも、本当に特別な経験をさせてもらいました」と明かし、話題となりました。そんな自宅出産について、「コロナ禍で立ち会いも難しいし、自宅出産いいですね」「上の子がいるなら、自宅出産は選択肢としてアリだなぁ」「昔は自宅出産が主流だったんだよね」など肯定的な反響がある一方で、「正直、自宅で産むのは怖い」「病院で産むよりリスクが高いのでは?」「自宅出産をあまりもてはやさない方が…」といった声も聞かれ、賛否が分かれているようです。

 賛否ある「自宅出産」ですが、実際にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。

行える医療的な処置に制限

Q.現在、自宅出産を選択する妊婦はどのくらいいるのでしょうか。

尾西さん「厚生労働省の『人口動態統計(2020年)』によると、自宅における出産は0.1%と、現在の日本ではごくまれです。『妊婦さん本人が助産師さん』といったケースでは自宅出産を希望されることもありますが、それ以外のケースでは、興味はあっても、実際に自宅出産をした人はかなり少ない印象です。

なお、直近のデータはまだ出ていませんが、『コロナ禍だから自宅出産が増えている』ことはないかと思います。『コロナ禍で病院に行きづらい』ということで、自宅出産を希望する妊婦さんは確かにいるのですが、妊娠中や分娩時に何か問題が起きた際は、提携先の病院での診察が必要になるため、逆に普段からかかりつけていないと、実際には受け入れてもらいにくいという背景も関係しているように思います」

Q.自宅出産を選択するために必要な条件はあるのですか。

尾西さん「自宅出産を請けている産婦人科医はごくまれで、多くは『開業助産師』といわれる助産師さんが請け負うケースが多いです。そのため、行える医療的な処置に制限があります。また、自宅という医療設備のない場所での出産になるため、『母体と胎児の両方へのリスクがないこと』『妊娠中の問題が特にないこと』が必要な条件です」

Q.自宅出産のメリット/デメリットとは。

尾西さん「一番のメリットは、やはり、上のお子さんなど家族と一緒に出産を迎えることができること、慣れた場所でリラックスして出産できること、そして自由な体勢で出産できることなどです。

一方、デメリットとしては、限られた医療処置しか行えないため、分娩中に母体・胎児に何かあった場合、すぐに『会陰切開』などの処置や帝王切開が行えず、母子ともに危険な状態になるリスクが高い点が挙げられます。提携先の病院へ搬送する場合も、すぐに救急車が来てくれるとは限らず、特にコロナ禍の中では難しい状況になっています」

Q.自宅出産は「お金も手間もかかる」との声もありますが、実際のところはどうでしょうか。

尾西さん「料金は病院での分娩と大きく違いません。また、手間に関しても大きな変わりはなく、妊婦健診を助産院(医師ではなく、助産師が開業している医院)で行うことがほとんどです。

どのような出産にしたいかについての詳細なプランを指す『バースプラン』を立てることになるので、その手間は少し増えるかと思いますが、プランを立てるのも楽しい時間になると思います。

また、自宅出産の場合、分娩後の赤ちゃんの世話は基本的に自分で行うことになり、病院のように『夜だけ預かってもらう』『お母さんが休む間、赤ちゃんを見ていてもらう』ことができないため、家族のサポートは必須となります」

Q.自宅出産について、ネット上では賛否の声があるようですが、産婦人科医としてどのように思われますか。

尾西さん「自分の出産に対するバースプランを、助産師さんと立てて実行でき、主体的な出産ができる自宅出産は、女性にとって魅力的ですよね。一方、出産はどんな形であっても予測のつかないことが起き、お母さんや赤ちゃんが危険な状態になることも珍しくありません。

本来は、妊婦さんが望む主体的な出産と、医療の安全性の両方がかなうことが一番です。最近では、病院でもバースプランを取り入れるなど、より妊婦さんの希望に沿った分娩ができるように工夫された施設も増えてきています。

自宅出産、病院出産それぞれのメリット/デメリットは、妊婦さんやそのご家族ごとに違ってきます。両方をきちんと理解した上で、どちらを選んでも『こんなはずではなかった』ということがないように、ご家族とじっくり相談して決められるとよいですね」

(オトナンサー編集部)

尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(神谷町WGレディースクリニック院長)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性の全ての悩みに応えられるかかりつけ医として、都内の産婦人科クリニックに勤務。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

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