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“猛暑”予想の今夏、梅雨明け前の「暑熱順化」で熱中症予防を!

近年は、真夏の最高気温が35度を超える日も珍しくなくなり、熱中症になって体調を崩す人も多いですが、“猛暑”予想の今夏こそ、暑熱順化が必要ではないでしょうか。

暑熱順化は、意識的に行った方がよい?
暑熱順化は、意識的に行った方がよい?

 近年は、真夏の最高気温が35度を超える日も珍しくなくなり、熱中症やそれに近い症状で体調を崩す人も多いとされます。そこで、真夏の暑さで体調を崩さないように、夏を迎える前に「暑熱順化」をした方がよいとされています。しかし、暑熱順化という言葉自体、どのような意味か知らない人も多いと思います。“猛暑”が予想される今年の夏に向け、「暑熱順化」を意識的に行った方がよいのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

5月中の実施がベスト

Q.「暑熱順化」とは、何ですか。具体的にどのようなことをするのでしょうか。

市原さん「積極的に発汗をするなどして、暑い環境に体を慣れさせることです。暑い時季に体温調整が適切に行えるよう、本格的な夏になる前に行う必要があります。具体的には、運動や入浴で汗をかくことで、暑熱順化が促されます」

Q.「暑熱順化」をすると、どのようなメリットがありますか。熱中症になるリスクを下げることができるのでしょうか。

市原さん「暑熱順化の手法である運動や入浴によって、皮膚の血管が広がることで効率よく汗をかけるようになります。その結果、暑い環境の中でも体温調整ができるようになり、熱中症になるリスクを下げることができます」

Q.梅雨の末期から「暑熱順化」を行うのは遅いのですか。どれくらいの時間を必要とするのですか。

市原さん「個人差がありますが、長くて2週間程度が必要です。梅雨明けの急な気温の上昇に体がついていけなくなるので、余裕をもって5月中には暑熱順化を済ませましょう」

Q.「暑熱順化」を積極的にした方がいいのは、主に中高年以上の人でしょうか。若い人であれば、行わなくても大丈夫なのでしょうか。

市原さん「中高年以上の人は、若い人よりも熱中症になりやすいので、積極的に暑熱順化をした方がよいです。しかし、近年、最高気温が35度を超える日も多くなり、夏の暑さが尋常ではないため、若い人も油断できません。若い人も暑熱順化を意識しましょう」

Q.今年の夏は、“猛暑”が予想されています。例年以上に、意識的に「暑熱順化」を行った方がよいのでしょうか。

市原さん「その通りです。積極的に暑熱順化をしましょう。ただし、暑熱順化を行っているからといって熱中症にならないわけではありません。暑い環境にいるときは、水分補給やミネラル補給、暑さの回避などを忘れてはいけません」

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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