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立て続けに休職者…”メンタル不調”社員が多い企業、「6つの特徴」とは

メンタル不調者が多い企業の「特徴」6つ

Q.メンタルの不調・疾患を訴える従業員の多い企業には、どのような特徴・共通点がありますか。

小松さん「こうした企業にみられる特徴や共通点として、主に次の6つが挙げられます。

(1)一人一人に期待される役割が不明確で、成果や“誰の幸せに貢献できているのか”が見えにくく、仕事に取り組む意義が見いだしにくい環境である
(2)業務内容や働き方に見合った給与が支払われていない
(3)給与が公平に決められていない
(4)自分のやり方と責任の下、一定の自由裁量で進めていくことができない
(5)休暇制度が整っておらず、必要なときに休むことができない
(6)困ったときの相談体制が明確に整備されていない
など

 例えば、少人数体制のまま会社が急成長し、常に納期やノルマに追われていたり、本人しかできない仕事があったりすると、休めずに、疲弊感に襲われることがあります。また、対人コミュニケーションや距離感に問題がある上司の下で働くと、部下の心労は大きくなるでしょう。こういった要因が重なると自己肯定感が下がっていき、メンタル不調になりやすいです」

Q.メンタルの不調・疾患を訴える従業員の多い企業を、外部から見抜くポイントはありますか。

小松さん「離職率がヒントになります。また、入社前にメンタルヘルス対策について人事労務責任者へ質問と確認をすることが大切です。制度だけでなく、しっかりと運用され、従業員が活用できているのかも確認しましょう。具体的な説明が返ってこない企業は、把握や着手ができていない可能性があります」

Q.メンタルの不調・疾患を訴える従業員が増加した際、企業に求められる対応・対策とはどのようなものでしょうか。

小松さん「予防段階を越えてメンタル不調者が増えると、業務上のミスや遅延、けがや事故などのトラブルが発生しやすく、会社全体の生産性や収益が悪化し、ケアのためのコスト負担も増えます。企業イメージも悪くなります。

産業医や保健スタッフ、衛生委員会、人事労務担当、現場社員が連携し、早急に労働者の現状確認を行い、職場環境の見直し改善を徹底するとともに、就業規則を確認しながら、休職者の復職に向けた支援プログラムの策定実施に取り組む必要があります。社内全員にメンタルヘルス教育などの研修をより浸透させることも大切です」

Q.ネット上のコメントなどを見ると、適切なメンタルヘルス対策を実施できていない企業はまだまだ多い印象です。

小松さん「『誰かがどうにかしてくれる』という意識ではなく、一人一人がしっかりと当事者意識を持ち、『メンタルマネジメントは仕事の一部である』と自覚することが強く求められます。もちろん『仕事のために』という意識だけではなく、より広義に捉え、仕事の背景にある家族や大切な人たちとの時間、自身が納得のいく人生を送るためにも、メンタルヘルスケアは大切です。

『自分の心が生き生きと満たされているときは、どんなときか』をイメージし、これまでの自分、現在の自分、これからの自分の人生や日常に思いをはせ、楽しみながら、メンタルヘルスケアに取り組んでみてください」

(オトナンサー編集部)

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小松美智子(こまつ・みちこ)

精神保健福祉士、キャリアカウンセラー、株式会社メンタル・キャリア・ライド代表

1978年広島市生まれ。成蹊大学法学部卒業後、テレビ局で7年間アナウンサーとして勤務。その後、精神保健福祉士、キャリアカウンセラーとして都内の精神科クリニックや地域福祉施設で、精神疾患に悩む当事者やご家族への心理・キャリアカウンセリング、心理検査、福祉相談業務に携わる。現在は専門医と業務連携しながら、主に発達障害を持つ大人に向けて発達知能検査WAISを通した能力特性や認知機能理解、環境設定コンサルティングに取り組む。固有の認知機能や能力特性差からのコミュニケーション齟齬(そご)予防、メンタルヘルスケアのための講演・講義に力を入れる。

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