お見合い相手の父親は“故人”と勘違い 情報整理できなかった36歳男性に交際終了の宣告
「私の父は生きていますよ」
「お付き合いしている狭山さんなんですが、交際終了でお願いします」
大野美枝さん(33歳、仮名)が連絡を入れてきました。美枝さんは3週間ほど前に狭山洋次郎さん(36歳、仮名)とお見合いをし、2回目のデートを終えたところです。なぜ、交際終了を出してきたのか、その理由はこうでした。
「最初のデートのときから、話がとんちんかんだったんですよね。『イタリアンが好きって言っていましたよね。イタリアンレストランを予約しましたよ』と言われたのですが、私、お見合いのときにそんなこと言ったかなって。ただ、そのときは狭山さんが『ピザのデリバリーをよく頼む』と言ったときに『あ、私も実家に帰ったときには、たまに家族で頼みますよ』という話をしたので、そこから、『イタリアン好き』にひも付いちゃったのかなくらいに思っていたんです」
実際、美枝さんはイタリアンが好きでしたし、連れて行ってくださったのは、おしゃれでおいしいお店で、そのときはとても楽しいデートができました。
そして、2度目のデートとなったのですが、話はさらにとんちんかんの連打となりました。
「温泉旅行に行ったって言っていたけど、コロナで旅館もガラガラだったでしょう?」
「えっ、私、温泉行っていませんけど」
「あ、そうかそうか。先週は予定があって会えないというのは、温泉じゃなかったんですね」
「はい。先週は会社の研修があったんです」
「研修!? あ、そうでしたね。食品会社の研修ってどんなことをするんですか?」
「あの、私、仕事は医療機器関係ですけど」
そして、極め付きはこの質問でした。
「お父さんが亡くなったのは、いくつのときですか?」
「父は生きています!」
美枝さんは私に言いました。
「仮交際中は複数の人とお付き合いしてもいいし、お見合いをしてもいいことになっていますよね。実際、私も仮交際中の人が狭山さんを含めて3人います。だから、その人たちの情報が入れ替わってしまうのは仕方ないことだと思うんですよ。ただ、狭山さんは私を全く別の人と間違えていたようで、それだけ私には興味がないのだと思いました。生きている父を死んだことにされたときには、さすがに失笑しましたよ」
結婚相談所の婚活には「仮交際」と「真剣交際」の区分があります。仮交際はお人柄やその人の考え方、生活していく価値観を見る期間ですから、複数の人と交際するのは通例のことです。そこから、「この人となら結婚できる」と思った1人と真剣交際に入るのです。
仮交際期間は複数の人と交際していますから、注意をしていないとLINEの送り先を間違えてしまったり、情報が錯綜(さくそう)して、別の人に聞いた話をしてしまったりすることがあります。
婚活中はお見合いノートを1冊作り、複数の人とお付き合いしているときはデートを終えた後、話した内容やその人が好きなこと、嫌いなこと、興味のあることなどを簡単にメモしておくといいですね。
また、婚活において何が大切かといえば、自分の発した言葉を相手がどう受け取るかを考える想像力だと思います。好感の持たれる会話ができる人というのは、相手に共感しながら、相手の気持ちをつかむコミュニケーション能力を身に付けています。ただ、どんなに“コミュ力”があったとしても、相手の情報を間違えていては会話も信用も台無しです。
婚活で自分がどんな会話をしているか、ご自身の会話を振り返ってみてくださいね。
(仲人・ライター 鎌田れい)

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