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「イヤホン」装着で耳がかゆくなったり、痛くなったりするのはなぜ?

リモートワークなどの普及で「イヤホン」を装着する機会が増えていますが、継続的なイヤホンの装着で耳が痛くなったり、かゆくなったりするそうです。なぜでしょうか。

イヤホンで耳が痛くなる?
イヤホンで耳が痛くなる?

 リモートワークなどの普及により、「イヤホン」を装着する機会が増えていますが、その影響で、耳の痛みやかゆみを引き起こす可能性が高まるそうです。以前から、イヤホンの長時間の利用が難聴を引き起こす恐れがあるということはよく聞きますが、痛みやかゆみの症状が出るというのは、あまり聞いたことがありません。

 なぜ、イヤホンで耳が痛くなったり、かゆくなったりするのでしょうか。耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院(大阪府和泉市)の老木浩之院長に聞きました。

イヤホンによる「外耳炎」?

Q.イヤホンを装着する機会が増えると、耳の痛みやかゆみを引き起こす恐れが高まるのでしょうか。

老木さん「可能性としては考えられます。耳の穴の皮膚が何らかの刺激を受けて炎症を起こす『外耳炎』になりやすいと思われます。本来は耳掃除が原因でなることが多い症状ですが、イヤホンでもなる可能性があります」

Q.なぜ、イヤホンの使用で耳が痛くなったり、かゆくなったりするのでしょうか。

老木さん「2つの理由が考えられます。1つ目は、イヤホンと耳(耳の穴や外耳道)の形状がフィットしていないことです。そうした状態では、皮膚の一部だけが過度に圧迫され、炎症を起こすことがあります。皮膚に炎症が起こると、かゆみや痛みの症状が出ます。

2つ目は、イヤホンの素材です。イヤホンの金属の部分やコーティングの素材によっては、それらが皮膚に触れる状態が続くことで、皮膚のアレルギー反応が起こる場合があります。外耳の皮膚の湿疹という状態です。この場合もかゆみや痛みにつながります」

Q.どれくらい、耳が痛くなったり、かゆくなったりしたら、受診した方がよいのでしょうか。多少の痛みやかゆみであれば、自然に治癒するのでしょうか。

老木さん「放置しても気にならないほどの軽い症状であれば、まずはイヤホンを全く装着しない日をつくって、2~3日は様子を見てもいいのではないでしょうか。様子を見ても痛みやかゆみが続くとき、あるいは発症当初から、激しいかゆみや痛みがある場合は、すぐに受診する方がよいでしょう」

Q.イヤホンを使うのではなく、耳当てタイプのヘッドホン(耳に直接、音響器具が入らない)を使った方が耳の痛みやかゆみは防げるのでしょうか。

老木さん「耳当てタイプのヘッドホンであれば、機械が耳に直接触れる部分が少なくなります。そのため、炎症や湿疹は起こりにくくなり、耳の痛みやかゆみを防ぐことができるはずです。ただ、ヘッドホンでも大きな音量で聴くと、イヤホンで聴くときと同じく、鼓膜に悪い影響を与えます。音量には気を付けましょう」

Q.仕事などでイヤホンを頻繁に使う場合、耳が痛くなったり、かゆくなったりしないためにどのような対策を行えばよいですか。

老木さん「イヤホンをつけて、耳が痛くなったり、かゆくなったりした経験のある人はいると思います。そうした経験のある人は、現在使っているイヤホンの形状や素材を変えてみることです。

しかし、今までそのような経験のない人は、現在使っている形状や素材のイヤホンを使い続けてください。イヤホンを変えてしまうと、かえって、耳の調子が悪くなることもあるので注意してください。また、先述したように、イヤホンをヘッドホンに変えてみるのも一つの方法です。

また、イヤホンの付け方ですが、長時間、継続してイヤホンを使うと炎症を起こす危険性が増します。小まめにイヤホンを外したり、イヤホンの位置を変えたりするのも効果的な方法です」

(オトナンサー編集部)

老木浩之(おいき・ひろゆき)

耳鼻咽喉科専門医、医学博士

医療法人hi-mex理事長、耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院院長。近畿大学医学部卒業、神戸市立中央市民病院で副医長を務めた後、近畿大学病院講師、生長会府中病院耳鼻咽喉科部長を経て、2001年、大阪府和泉市で、耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院を開設。現在、医療法人理事長として3院を運営。耳鼻咽喉科の地域医療を担う開業医の勉強会も主催している。耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院(https://www.oikiiin.com/)。

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