オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

パパって気持ち悪いよね…趣味の漫画を妻が嘲笑、離婚を選択した42歳男性

「離婚」の理由は人それぞれです。中には「え、そんなことで離婚?」と思わず反応してしまうものもありますが、本人には深刻な問題なのです。

離婚の理由は人それぞれ
離婚の理由は人それぞれ

「離婚」の原因は人それぞれであり、離婚の数だけ理由があります。私の運営する「恋人・夫婦仲相談所」では、離婚をすすめるのではなく、円満になる方法を模索しながらアドバイスするのですが、中には「もう無理。別れたい」と既に離婚を決意して来られる人もいます。どろどろの理由もあれば、「え、そんなことで離婚?」と思わず反応してしまう理由もあります。

 カケコム(東京都品川区)が2020年、離婚経験者100人を対象に「離婚の決断理由と後悔」に関するアンケートを行いました。離婚を決断した理由の1位は「夫婦としての将来が見えなくなった(22人)」、2位は「不倫された(18人)」、3位は「愛情が冷めた(13人)」と続きます。その中身を具体的に見ていくと、理由はさまざまです。

「一緒に生活をしていて、ささいなことでけんかが絶えず、穏やかに暮らしていくのが難しいと感じた」
「何度も借金をされ、この先が不安になった」
「自分がいる前で、平気で浮気相手と電話やLINEをされた」
「子どもに暴力を振るった」
「いつでも離婚すると言われ続け、心が折れた」

 どれも十分に「結婚生活をこれ以上続けるのは不可能だ」と思うに足りる理由です。愛が冷め切ってからの決断なのでしょう。

 さて、ここからは恋人・夫婦仲相談所に寄せられた離婚理由の一部をご紹介します。先述の調査結果とは対照的に、一瞬、「そのくらいのことで」と感じるかもしれません。

妻の「気持ち悪い」の一言

 隆さん(42歳、仮名)は小学生の子どもが2人いる中、17年連れ添った妻と離婚しました。「自分が大好きな漫画を『気持ち悪い』と言われたから」です。

 元々、漫画家志望だった隆さん。大学生のときには某大手出版社の漫画コンクールで入賞し、編集者から、漫画家の道をすすめられたといいます。しかし、大手ゲーム会社から内定が出て、「漫画家として食べていくより安定するだろう」とそのまま就職しました。

 25歳のときに美智香さん(当時28歳、仮名)と出会い、一目ぼれして半年後に結婚。ラブラブ夫婦でしたが、1人目の子どもが生まれると関係は悪化します。元々、子どもが苦手だった隆さんは自分より子どもを優先する美智香さんにいら立ちを覚えるようになり、その頃から、浮気をするようになっていたそうです(本人いわく、“軽い”のを3回)。美智香さんは浮気には気が付いていなかったようでした。

 そんなある日、隆さんはある漫画にものすごくハマり、全巻そろえるのはもちろん、グッズなども買い集め、部屋中をその漫画一色にしていました。しかし、その漫画は子どもにとって教育上よいものではなく、美智香さんは「部屋にフィギュアやポスターを飾るのは、子どもにとってよくないからやめてほしい」と言いました。しかし、隆さんは聞く耳を持ちません。自分の生きがいともいえる趣味だからです。

 ある朝、隆さんが興奮しながら美智香さんに「ねえ、○○の新刊すごいよ、感動だよ」と話し掛けました。すると、美智香さんは子どもたちに向かって「○○のことばっかり言うパパって、本当に気持ち悪いよね」とあざ笑うように言いました。そこで、隆さんの心はポッキリと折れてしまったのです。今まで、たまりにたまった寂しさや悔しさがあふれだし、家を出て、そのまま離婚へと突き進みました。

 隆さんの場合、浮気をしている時点で妻に気持ちが向いていなかったのは事実です。子育てに薄くしか関わっていないのも、お話を聞いていて感じました。つまり、妻側から、離婚を切り出されてもおかしくない状況だったかもしれません。とはいえ、引き金は「気持ち悪い」の言葉だったのです。

“夢の国”での「不機嫌な顔」事件

 小百合さん(39歳、仮名)が離婚を決めたのは“夢の国”での、ある出来事がきっかけです。

 ゴールデンウイークの“夢の国”は多くの人でにぎわい、混雑するのが容易に想像できます。しかし、小百合さんの夫は「子どもたちを喜ばせたいから」と、絶対にゴールデンウイークに“夢の国”に行くと言い張ります。当時、2歳の長女と4歳の長男を連れて、人でごった返す“夢の国”に行けば、どれだけ大変か目に見えていた小百合さんは「平日に休みを取って行こうよ」と説得しますが、夫は聞き入れません。「ゴールデンウイークに行くから意味がある」などと、理解できない理由でかたくなに行こうとします。

 今考えれば、周りの友人がインスタグラムで“夢の国”に行ったことを自慢するような投稿をしていたのが気に障り、自分も行ったんだと自慢したかったんじゃないかと小百合さんは分析しています。

 そして、ゴールデンウイーク。案の定、“夢の国”は人、人、人でごった返し、2歳と4歳の子どもたちが楽しめるような状況ではありません。遊ぶことも食べることもままならず、子どもたちはぐずり続け、小百合さんはその世話でくたくた。当の夫は1人で乗り物に乗ったり、写真を撮ったりと好き勝手に楽しんでいる様子で、子どもたちの面倒を見ようともしませんでした。

 いいかげんに頭に来た小百合さんは「もう帰ろう」と言います。すると、夫は「本当におまえって、いつも俺が楽しんでいるときに不機嫌な顔をしているよな」と一言。そこで、小百合さんの堪忍袋の緒がプチーンと切れました。小百合さんは夫を残し、子どもたちを連れてそのまま実家に帰り、4年間の協議を経て離婚しました。

「そんなささいなことで別れるの?」と思うかもしれません。しかし、当事者にとっては許しがたいものがあり、それが離婚の決め手になるのです。小百合さんの夫は、幼い子どもを連れての外出の大変さを分かっていなかった。つまり、日々の子育てをちゃんと観察したり、協力をしたりしていなかったとみてとれます。積もりに積もった上での“夢の国事件”だったのでしょう。

 それまでの関係が良好であれば、その「ささいな出来事」を2人で乗り越えられるかもしれません。普段から、パートナーを尊重し、思いやり、2人で人生を全うするという覚悟で生活を続けていれば、「そのくらいのこと」で役所に離婚届をもらいに行くことはしません。

「結婚したのだから、添い遂げる覚悟があって当たり前」と思っていても、日々の生活に忙殺され、相手の気持ちを考える余裕がなくなると、そうも言っていられないもの。他者目線では決して分からないことが夫婦にはあります。「そのくらいのこと」が起きる前に、夫婦の日常の関係性を見直してください。ちりも積もればドカンと噴火です。

(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

三松真由美(みまつ・まゆみ)

恋人・夫婦仲相談所 所長(すずね所長)・執筆家

夫婦仲・恋仲に悩む女性会員1万3000名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス・ED・女性の性機能に詳しく、性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。20代若者サークルも運営し、未婚世代への結婚アドバイスも好評を呼ぶ。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍中。著書は「夫婦の『幸せ循環』を呼ぶ秘訣」(講談社)「モンスターワイフ」(同)「40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣」(扶桑社)「堂々再婚」(wave出版)など多数。コミック「『君とはもうできない』と言われまして」(KADOKAWA)の監修も手掛ける。恋人・夫婦仲相談所(http://fufunaka.com/)、公式LINEアカウント(https://lin.ee/oTQa13s)、公式note(https://note.com/suzune_16)。

コメント