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政治家の「仮定の質問には答えられない」発言、危機管理上問題はないのか

企業トップや首長が言い出したら…?

Q.ちなみに、企業のトップや自治体の首長が「業績悪化が続いた場合、経営責任を取るのか?」「新型コロナウイルスの感染が拡大した場合、○○県も緊急事態宣言を要請するのか」などと問われたとき、「仮定の質問には答えられない」と言い出したら、顧客や住民はどう感じるのでしょうか。

山口さん「これは政治家にも当てはまることですが、企業のトップや自治体の首長が顧客や住民の問い掛けに対して、『仮定の質問には答えられない』と答えたら、顧客や住民は『職務放棄だ』と思うでしょう。

大事故や不祥事、業績悪化などの記者会見で、トップが必ず受ける質問は『責任を取って辞任するか』です。以前は『責任がどの程度自分にあるか現時点で分からないので、仮定の質問には答えられない』といった趣旨の回答が多くありましたが、最近は『私の責任は原因の究明と再発防止に取り組むことであり、直ちに辞任するつもりはない』といった趣旨の回答が多くなっています。

後者の回答について、『仮定の質問であると門前払いをせず、結論と理由を話しているのでよい回答だ』と考える人がいる一方で、『意地悪な質問回避のテクニックが上達しただけだ』と冷めた目で受け取る人もいます。その理由は多くのトップが皆、同じような回答をするからです。

仮定の質問に答えることは大切ですが、ありきたりなパターン化した回答では不十分です。直近の仮定の状況をさまざまな形で分析し、それぞれの状況に応じた選択肢と現時点での判断を示すことが、顧客や住民の信頼を得る唯一の道だと思います。そのためには、危機管理の『3本の矢の教え』を忠実に守ることが何よりも大切であると思います」

(オトナンサー編集部)

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山口明雄(やまぐち・あきお)

広報コンサルタント

東京外国語大学を卒業後、NHKに入局。日本マクドネル・ダグラスで広報・宣伝マネージャーを務め、ヒル・アンド・ノウルトン・ジャパンで日本支社長、オズマピーアールで取締役副社長を務める。現在はアクセスイーストで国内外の企業に広報サービスを提供している。専門は、企業の不祥事・事故・事件の対応と、発生に伴う謝罪会見などのメディア対応、企業PR記者会見など。アクセスイースト(http://www.accesseast.jp/)。

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