そうだったのか! 引いた「おみくじ」を結んで帰る理由
お寺や神社で引くものと言えば「おみくじ」ですが、引いた後のおみくじを「結ぶ」のは何のためでしょうか。また、おみくじは結ばずに持ち帰ってもよいのでしょうか。専門家に聞きました。

寺社へ行った際に、引くことの多い「おみくじ」。「吉」「凶」といった結果や文言を確認した後、結んで帰るのが一般的な方法ですが、そもそも、おみくじはどうして「結ぶ」必要があるのでしょうか。また、結ばずにそのまま持ち帰ってもよいのでしょうか。
オトナンサー編集部では今回、おみくじにまつわる知識について、和文化研究家で日本礼法教授の齊木由香さんに聞きました。
神の意志を占う「くじ引き」が起源
齊木さんによると、そもそも、日本の寺社仏閣で引くようなおみくじを発明したのは、平安時代の天台宗の僧、良源(りょうげん)とされています。天台宗の最高位だった良源が、国の祭政に関する重要事項や継続者を決める際、神の意志を占うために行った「くじ引き」がその起源だそうです。
個人の運勢を占うものとして、おみくじが行われるようになったのは、鎌倉時代初期になってから。当時は自分でくじを用意するのが一般的で、高価だった「紙」の代わりに、木に赤い印をつける程度のものでした。また、戦国時代には戦の日取りや戦い方を決めるのにおみくじが使われていたそうです。
その後、江戸時代初期に、徳川家康の側近であった天台宗の僧、天海大僧正が深く信仰していた良源から夢枕で信託を受けて、戸隠に隠された偈文(げもん)百枚を発見、その百枚に番号をつけたことから、今日のおみくじのスタイルが確立され、日本全国の寺社に広まったと言われています。
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