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日米欧の中央銀行は金融正常化を進めるのか

日銀の「一人旅」は続くのか

 ところで、5月上旬時点で、FRB、ECB、日銀のバランスシートの規模はいずれも500兆円程度です。不思議な一致と言えましょう。ただし、国内総生産(GDP)は、大ざっぱに米国2200兆円、ユーロ圏1300兆円、日本500兆円であるため、経済規模との比較でいえば、日銀のバランスシートが突出して大きく(GDP比約100%)、次いでECB(同40%)、最後にFRB(同20%)となります。

 バランスシートの大きさが金融緩和の程度を表わすとすれば、3つの中央銀行の中では、日銀が最も強い金融緩和を行っており、今後しばらくはFRBやECBとの格差は拡大する一方ということになります。

 日銀はいつまでも「金融緩和の一人旅」を続けるのでしょうか。それともどこかでかじを切って、FRBやECBを追いかけることになるのでしょうか。

(株式会社マネースクウェア・ジャパン チーフエコノミスト 西田明弘)

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西田明弘(にしだ・あきひろ)

株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J)市場調査部チーフエコノミスト

1984年日興リサーチセンター入社。米ブルッキングス研究所客員研究員などを経て、三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社。チーフエコノミスト、シニア債券ストラテジストとして高い評価を得る。2012年9月マネースクウェア・ジャパン(M2J)入社。現在、M2Jのウェブサイトで「市場調査部レポート」「市場調査部エクスプレス」「今月の特集」など多数のレポートを配信するほか、テレビ・雑誌などさまざまなメディアに出演し活躍中。株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J)(http://www.m2j.co.jp)。

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