日米欧の中央銀行は金融正常化を進めるのか
年80兆円の国債購入を続ける日銀
ユーロ圏では、欧州中央銀行(ECB)がQEを続けています。昨年12月の理事会では、QEに関して、従来の「月間800億ユーロの債券購入を少なくとも2017年3月まで続ける」との方針を、「月間600億ユーロの債券購入を少なくとも2017年12月まで続ける」へと修正しました。
ドラギ総裁は会見で、今回の措置は「金融緩和の延長であり、テーパリング(縮小)ではない」と強調しました。ただ、今年に入ってECB内部では、テーパリングを始めるべきだとの声が強まっているようです。英国の欧州連合(EU)離脱に伴う不透明感も強いため、同総裁はそうした要求に抵抗しているようですが、風向きは徐々に変わりつつあります。
そして、日銀は年間80兆円程度のペースで国債購入を続けています。昨年9月の金融政策決定会合で、年間80兆円はそれまでの目標から「めど」に格下げとなりましたが、それでもバランスシートが膨らみ続けていることに変わりはありません。
5月10日、黒田東彦総裁は国会答弁で、2%の物価目標達成に向けて辛抱強く金融緩和を続けていく意向を改めて表明しました。一方で、これまでは「時期尚早」と切り捨てていた出口戦略についても、考えられるシナリオの公表を「今後検討する」と柔軟な姿勢を示しました。
それでも、出口に向けた動きは、FRBのみならず、ECBにも大きく遅れを取る可能性が高いでしょう。

コメント