トランプ大統領の「減税」は実現するのか
乏しい財源の問題をどうするのか
さて、減税案にかかわる最大の問題は財源に乏しいことです。トランプ政権は経済成長の高まりによる自然増収をアテにしているかもしれませんが、前出のシンクタンクの一つによると、減税コストの3分の1程度しかカバーできないようです。歳出の削減は国防費の増額に向けられるため、財源にはなりえません。
さらに、トランプ大統領は、最大の歳出項目である社会保障には手をつけないと公言しています。その上、1兆ドルとされるインフラ投資が加わるため、帳尻が合うはずもありません。
ここに来て、トランプ大統領は一度棚上げにしたオバマケア(医療保険制度改革)改廃法案の成立を優先する意向を示しています。オバマケア改廃によって一段の歳出削減が見込めるからです。ただ、一度は共和党内の保守強硬派や穏健派の一部からも批判が噴出したオバマケアの改廃を進めることができるのか、こちらも見通し良好とは言いがたいものがあります。
仮に減税やインフラ投資によって財政赤字拡大が見込まれるのであれば、共和党内の保守強硬派はそれらにも強く反発しそうです。また、減税が企業や富裕層を優遇するとみなされれば、民主党から支持を取りつけるのも難しいでしょう。
減税がトランプ大統領自身の利益に資するものかどうかをチェックするため、民主党は大統領の納税記録の公開を要求しており、それなしでは審議に応じない構えを見せていますが、トランプ大統領は公開拒否の姿勢を貫いています。

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