企業が退職予定者に「退職」を口止めする理由
退職に気付いたとき、周囲は?
Q.同僚が「辞めるのではないか」と、雰囲気や態度から気付くこともあるかと思います。そうしたとき、残る社員は何も聞かない方がよいのでしょうか。同僚の退職の意思が伝わるのが早いほど、引き継ぎも円滑に行われる可能性が高いと思われますが、自分たちのリスクヘッジのためにも何らかの行動を起こした方がよいのでしょうか。
小野さん「『同僚が辞めるのではないか』と残る社員が感じたとき、その人に話を聞くということはよいことです。なぜなら、仕事の引き継ぎにおいても引き止めにおいても、効果があると想定されるからです。ただ、リスクヘッジという観点でいうならば、そもそも普段からリスクヘッジはしておくべきで、退職が決まったときに行動しても、遅いケースの方がほとんどのように思います。
逆に、退職する人がいる以上、新しく異動してくる人や中途社員が採用されてくるケースもありますから、リスクヘッジという観点から見れば、新しく来る人への手厚いサポートを行う方が、業務効率化と定着へのメリットの2点から、より有効だと考えます」
Q.結局、退職予定者がいることを同僚に伝えるときは、いつ、どのタイミングで、どのように伝えることがベストなのでしょうか。
小野さん「一番は上司と退職者が相談の上、タイミングを見極めるべきでしょう。なぜなら、ベストなタイミングは会社、仕事、現在のプロジェクト、利害関係者との関係、チームメンバーとの関係など、さまざまな要因や、その時々で変化するからです。マネジメント層の社員との対話を通して意思の統一を行い、タイミングを見極めるという、一人で判断しない姿勢こそが大切となります」
(オトナンサー編集部)
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