朝晩は涼しく…「季節の変わり目」に体調を崩しやすいのはなぜ? 健康に過ごすには?
「季節の変わり目」は体調を崩しやすいといわれますが、なぜなのでしょうか。対策とともに、医師に聞きました。

東京都心で1カ月近く真夏日が続くなど、7月下旬~8月中旬は全国的に厳しい暑さでしたが、8月下旬は気温が下がり、朝晩は涼しい日が続いています。そんな中、職場や電車内で、せきをしている人も目立つようになりました。日中はいまだに暑く、朝晩の寒暖差で体調を崩しやすい時期なのかもしれません。
「季節の変わり目」に体調を崩さないためには、どのようにすればよいのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。
風邪の他に、メニエール病やぜんそくも
Q.季節の変わり目に体調を崩しやすい原因は。特に、喉の調子の悪さを感じる人が多いようです。
市原さん「季節の変わり目は、気温や気圧の変化によって自律神経が乱れやすく、免疫力が低下しやすくなります。特に、気温が下がったり空気が乾燥したりすると喉の粘膜も乾燥し、風邪の原因となるウイルスが侵入しやすくなります。そのため、喉の不調を感じることが多くなります」
Q.季節の変わり目に、はやりやすい病気はありますか。
市原さん「風邪はもちろんですが、メニエール病や頭痛、ぜんそく、うつ病などが悪化しやすいことが分かっています」
Q.体調不良になった場合、すぐに病院に行った方がいいのでしょうか。また、季節の変わり目に体調を崩したことで重症化することはありますか。
市原さん「病気によって異なるので何とも言えません。軽い風邪であれば、様子を見てもいいでしょう。なお、季節の変わり目だからといって、風邪が重症化するかどうかは分かっていません」
Q.この時季、医療機関に通院する人は増えますか。
市原さん「暑さの推移は年によって異なりますが、今年のように猛暑から急に涼しくなった場合、特に患者さんが増える傾向にあります」
Q.季節の変わり目に体調を崩さないために気を付けるべきことは。
市原さん「先述の通り、急に寒くなったときに風邪をひく患者さんが多いです。喉の乾燥を防ぐため、マスクの使用やこまめな水分補給、適切な湿度の管理を行いましょう。部屋の湿度を保つには、『加湿器をかける』『濡らした洗濯物を部屋に干す』などがよいでしょう。基本的なことですが、温かくして、規則正しい生活を心掛け、バランスの良い食事と十分な睡眠を意識してください」
Q. 夜は涼しくなったとはいえ、寝る際にエアコンをつけるか迷う日もあります。エアコンをつけないことで、熱中症にかかる可能性はありますか。また、適切な設定温度は。
市原さん「エアコンを付けないことで、寝ている間に熱中症になる可能性があります。エアコンの適切な設定温度は25~28度とされていますが個人差もあるため、寒いと感じずに快適に過ごせる温度を探してください」
(オトナンサー編集部)
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