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パーソナルトレーニングはもう古い!? これからの予防医療「無意識ヘルスケア」とは

「シックケア(治療)からヘルスケア(健康維持)へ」という言葉も誕生するなど昨今、注目が高まる「予防医療」。強い人しか続けられないパーソナルトレーニングではなく、「無意識ヘルスケア」を提唱する人もいます。

肉体的、精神的に強い人は続けられる

 医療費削減が進むなか、予防医療への関心が高まっています。近年では「シックケア(治療)からヘルスケア(健康維持)へ」という言葉も誕生し、先進国共通のテーマとして語られるようになっています。

 さて日本におけるヘルスケアの今後はどのようなものでしょうか。東京と鎌倉で湯治場を運営する「Le Furo」の三田直樹さんに、パーソナルトレーニングサービスがメディアをにぎわす、わが国の現状から展望してもらいました。

「努力で健康を得ようとしても続かない」

「肉体的、精神的に強い人しか続けられません」。三田さんはパーソナルトレーニングサービスについてこう指摘します。サービス自体を否定する気はないと断りつつも、サステナビリティー(持続可能性)が欠けているのではと疑問も。「リバウンドのリスクもありますし、未来永劫続けられるものではありません。あくまでも“ごく一部”の人に向けたサービスでしょう」。

 こうした現状において、三田さんが新たに打ち出すのが「無意識ヘルスヘア」の概念です。パーソナルトレーニングサービスのように、「意識的に努力をして健康を得よう」という姿勢とは対照的。「これからの予防医療における新区分となるでしょう」。

三田さんの提唱する新セグメント「無意識ヘルスヘア」

 すこやかな生活を送ることで、健康を積極的に維持、増進させようとする「ウエルネス志向」(図の右半分)は近年認知されつつありますが、三田さんは縦軸に「意識←→無意識」を加えます。ヘルスケアを定着させるには、「各個人の生活様式を変えることなく、楽で容易でなければいけません」。無意識ヘルスケアの対象は以下です。

1.食事
2.入浴
3.睡眠

 これらは、日々の生活の中で「誰しもが必ず時間を割くもの」。食事は「オーガニック」や「LOHAS」といった言葉に代表されるように、すでに大きなムーブメントになっています。

 しかし三田さんは食事について、「サプライヤー側に依存する部分が大きく、結果的に彼らを信用するしかないという選択肢に陥りがちです。そのため、若干のトラブルが発生した際にも、食す側は『自分の期待を裏切られた』と感じるケースも多いのです」。食事は「これから無意識に近づいていくジャンル」といいます。

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三田直樹(みた・なおき)

株式会社Le Furo代表取締役

米カリフォルニア州立大学経済学部、慶應義塾大学商学部卒業。日商岩井、ブルームバーグ、バークレイズキャピタル証券、JPモルガン証券を経て現職。証券会社では、市場部門でエネルギーデリバティブを用いたリスク管理商品の開発、及びマーケティング業務に従事した。日本の湯治と温泉の開発・普及を目的として、2012年に同社を設立。湯のイノベーションを起こすべく「湯ノベーター」を名乗る。http://le-furo.com/

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