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小室圭さんで話題の米国弁護士、「稼げない」というのは本当?

小室圭さんで話題の「米国弁護士」ですが、「稼げない」「米国で飽和状態」というのは本当でしょうか。

小室圭さん(2018年8月、時事)
小室圭さん(2018年8月、時事)

 小室圭さんが留学した米ニューヨークのフォーダム大学はイエズス会系の名門私立大学として知られています。最近、「米国弁護士では稼げない」「米国では飽和状態」という報道を耳にしますが、実際はどうなのでしょうか。

 今回は、ニューヨーク州弁護士の徳永怜一さんに、米国弁護士資格の実態について伺います。徳永さんは日本の大学を卒業後、単身渡米し、ルイジアナ州ニューオリンズのTulane University Law School(LLM)に留学。ニューヨークに拠点を移して法律事務所で7年間勤務し、米国現地企業や日系企業に対する法的助言や契約書などの作成を担当しました。現在は外資系IT企業に勤務しています。

アジアに目を向ければマーケットは潤沢

 米国弁護士として、米国を中心に活動することはとても魅力的です。しかし、多くの弁護士がしのぎを削る米国では職を見つけることすら並大抵ではないとも言われています。先行きは不透明だとする指摘もありますが、それなら米国を飛び出し、アジアに目を向けることが可能です。

 アジアの中でも、英語圏の国(シンガポール、マレーシア、インドネシア)には米国系企業が多く進出していますが、米国弁護士がいれば、企業法務にとって武器になります。米国では、隣接法律専門職の職域をも弁護士がカバーしており、広範囲の業務を独占的に行えるようになっています。米国弁護士の活躍の場は非常に大きいと考えられます。

「世界的に見ても、英米法(コモン・ロー)は歴史的に揺るぎない地位を確立しています。特に米国の法体系は全世界で認知度が高く、ビジネスの世界では米国法をベースとして契約がなされることがあります。アジア諸国には法整備が整っていない国が多く、グローバルなビジネスを行う上で適用するのが一般的ではない法律もあります」(徳永さん)

「米国弁護士は、グローバルスタンダード、最先端と認識されている米国法体系を使いこなすスペシャリストとして、アジアでは活躍の場が無限にあると言えるでしょう。私は、アジア進出をしている日本企業と米国企業で法務経験があります。このような企業は米国弁護士を常に必要としており、英米法を使いこなし、現地の法律も理解できる、法的バランス感覚を持つ法務部員は会社に大きく貢献できるのです」

アジア進出に伴いリスクマネジメントが課題に

 それでは、具体的にどのような場面で活躍が期待されるのでしょうか。

「アジア進出の際に私が経験した課題は、現地法人やジョイントベンチャーの設立、現地企業のM&A、現地政府への許認可申請、現地法律事務所の策定と均衡です。全く初めての国や地域でこうした業務をこなすには、英語力はもちろん、米国法を知っていると大きな武器になります。なぜなら、スタンダードな英米法と比較検討できるからです」

「近年、日本でよく聞くコンプライアンスやリスクマネジメントも重要です。特に米国系企業はコンプライアンスには厳しく、たった一つの違反でも致命傷となることもあります。外国企業であっても域外適用される法律があるからです。現地国の法規制や習慣を正しく理解し、違反を未然に防ぐことは企業生命を守ることを意味するのです」

 徳永さんは、カントリーリスクを各進出国について把握し対応することが大切だと指摘します。米国弁護士資格を持つ法務要員が活躍できる場とも言えるでしょう。デューデリジェンスを実行し、法整備が確立されていない国でも複雑な対応を、英米法のグローバル視点から行えるスペシャリストとして米国弁護士は欠かせない存在なのです。

 今後も米国はもとより、アジア圏でもニーズが高まりそうです。米国弁護士は稼げないどころか、引く手あまたの人材となることは間違いありません。小室圭さんの留学以降、米国弁護士に注目が集まっていることは間違いありません。実態をよく踏まえた上で批評することをお勧めします。

(コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員 尾藤克之)

尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「波風を立てない仕事のルール」(きずな出版)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

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